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第2話

(また、来てくれるかな)  2年生になった俊介は、再び巡ってきた文化祭で期待していた。  あの風貌は、一度見たら忘れられない。  また来てくれたら、絶対に間違えない自信もあった。 「あの、1冊ください」  来た!  来てくれた! 「ありがとう。君、去年も買ってくれたよね?」 「は、はい」 「感想送ってくれたのも、君?」 「そうです。迷惑じゃありませんでしたか……?」  迷惑だなんて、とんでもない。  あれで弱小文芸部が、廃部にならずに済んだ、と俊介は笑った。  忍はその年も、感想を書いて送ってくれた。

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