2 / 35
第2話
(また、来てくれるかな)
2年生になった俊介は、再び巡ってきた文化祭で期待していた。
あの風貌は、一度見たら忘れられない。
また来てくれたら、絶対に間違えない自信もあった。
「あの、1冊ください」
来た!
来てくれた!
「ありがとう。君、去年も買ってくれたよね?」
「は、はい」
「感想送ってくれたのも、君?」
「そうです。迷惑じゃありませんでしたか……?」
迷惑だなんて、とんでもない。
あれで弱小文芸部が、廃部にならずに済んだ、と俊介は笑った。
忍はその年も、感想を書いて送ってくれた。
ともだちにシェアしよう!