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第3話
そしてまさか、この高校を受験して、文芸部に入部してくれるなんて!
俊介と同級生の、高橋も喜んだ。
「彼の感想読むと判るけど、確かな文章力を持ってるわよね」
うん、と俊介も頷いていた。
「どんな作品書いてくれるか、楽しみだよ」
部員たちの拍手の中、忍はその白い頬を少し赤く染めていた。
ああ、ついに憧れのあの人と同じ空気が吸える日が来たんだ!
忍は感慨深く、大きく息をした。
紙とインクの匂いがする。
さすが文芸部だ。
名前は、森 俊介。
素敵な名前だな。
何て呼ばせてもらおうかな。
一昨年、去年と買った同人誌。
先輩は、どの作品を書いたんだろう。
僕の好きな作品だったら最高なんだけど。
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