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第7話
「ご、ごめんなさい!」
慌てて離れた忍だが、手にした本は離さなかった。
「あの……、この本に、サインしてくれませんか……?」
「サイン!?」
さらに恥ずかしいことに、俊介のペンネームは『テヅルモヅル』だった。
深海に棲む生物からもらった名前だが、こんなことなら、もっとカッコいい名前にしておけばよかった!
同人誌と黒のマジックペンを手にして、忍は瞳を輝かせている。
仕方がない。これも新入部員への歓迎の一環だ。
俊介はペンを受け取り、本に丁寧に字を書き始めた。
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