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第8話
「この作品で、主人公は結局誰とも一緒になりませんでしたよね」
「うん? ああ、そうだったね」
物語のクライマックスで、主人公は二人の女性を巡ってどちらをパートナーに選ぶかを迫られる。
結局、死地へ向かう運命にある主人公は、どちらも選ぶことなく二人の女性を置いて行くのだ。
「先輩は、どっちが好みだったんですか? ヒロインとしては」
「両方、好きだな」
幼馴染の、内向的なヒロイン。
突如現れた、快活なヒロイン。
相反する特徴を持つヒロインは、俊介の心そのものだった。
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