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第16話
「森先輩、はい!」
昼休み、忍が俊介に差し出したのは、ハンカチに包まれた弁当箱だった。
「先輩のお昼は毎日パンだ、って高橋先輩に聞きました。ちゃんと食べなきゃダメですよ」
「おいおい。ありがたいけど、申し訳ないよ」
「一人分も二人分も、手間は同じですから」
「そうか? ありがとう」
卵焼きにハンバーグ、唐揚げにサラダ菜、ブロッコリーにプチトマト。
彩りも華やかな弁当のおかずは、すべて手作りだ。
「す、すごい! うまそう!」
「よかった」
(ポイント、上がったかな?)
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