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第20話

 進学に照準を絞った俊介は、猛然と勉強を始めた。  大好きな執筆活動も滞り、秋の文化祭に出版する同人誌への寄稿も怪しいくらいだ。 「こんなことなら、留年しましょう、ってアドバイスするんでした」 「物騒なこと言うなよ、伊吹」 「あ、俊介先輩。そこに代入するのは3Xじゃなくって、4Yです」 「そ、そうか」  俊介は、受験勉強すら忍の世話になっていた。 「偏差値80って、化け物だぞ」  何でそんなに頭がいいのに、こんな普通校に来たんだ?  そんな俊介の疑問も、笑って受け流す忍。 (俊介先輩がいるからです、って、いつ言おう) 「先輩、このプリントが済んだら、お祭りに行きませんか?」 「神社の夏祭りか。いいな!」  たまには息抜きも必要、と俊介は残りの問題を必死で片づけた。

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