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第21話

「伊吹、リンゴ飴食おうぜ!」 「舌が真っ赤になるからイヤです」 「伊吹、焼きもろこし食おうぜ!」 「歯にトウモロコシが引っかかるからイヤです」 「伊吹、唐揚げ食おうぜ!」 「息がニンニク臭くなるからイヤです」  お前は何でも嫌がるんだなぁ、と俊介は苦笑いした。  もちろん彼は、リンゴ飴も焼きもろこしも唐揚げも、全て腹の中に収めている。  忍がようやく口にしたのは、綿菓子だった。 「何か、イメージ通りだな」 「そうですか?」

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