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第22話

 本当なら、俊介と同じものを食べて、その美味しさを共有したい忍だ。  だが、憧れの俊介先輩の前でみっともない自分を曝け出すのはごめんだ。 「伊吹、金魚すくいやろう」 「いいですね、やりましょう!」  何でもできる伊吹のことだから、金魚も100匹くらいすくうかもしれない、と思った俊介だったが、意外に忍は金魚すくいが苦手だった。 「あ~あ」  一匹も捕れずに、ポイが破れてしまった忍に、俊介は自分がすくった二匹の金魚を差し出した。 「いるか?」 「いいんですか!?」  子どものようにはしゃぐ忍が、やけに可愛い。  屋台が灯りをともし始めた頃、突然大きな音が響いてきた。

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