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第32話
情事の後、忍はこんこんと眠り続けた。
俊介はその間、ウエットティッシュで彼の汚れた体を拭いてあげた。
「本当、ごめんな。伊吹」
体を重ねて感じたことは、愛情に男も女も違いはないという事実だった。
忍は本当に心から俺を愛してくれていて、だからこそこの身を捧げてくれたんだ。
「う……」
忍が寝返りをうった。
「眠り姫が、ようやくお目覚めか」
「あ、ごめんなさい。僕、どのくらい寝てました?」
気にするな、と俊介は笑った。
ああ、その笑顔。
何より好きな、その笑顔。
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