32 / 35

第32話

 情事の後、忍はこんこんと眠り続けた。  俊介はその間、ウエットティッシュで彼の汚れた体を拭いてあげた。 「本当、ごめんな。伊吹」  体を重ねて感じたことは、愛情に男も女も違いはないという事実だった。  忍は本当に心から俺を愛してくれていて、だからこそこの身を捧げてくれたんだ。 「う……」  忍が寝返りをうった。 「眠り姫が、ようやくお目覚めか」 「あ、ごめんなさい。僕、どのくらい寝てました?」  気にするな、と俊介は笑った。  ああ、その笑顔。  何より好きな、その笑顔。

ともだちにシェアしよう!