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7-志摩先生も●●●●するんですか?

「志摩センセイもオナニーとかするのかな?」 休み時間、咥えていた棒付きキャンディを思わず噛み砕いてしまったヤンキー淫魔。 「おまッ、いきなり何だよッ、三秒前までしてたクラス替えの話はどこいったんだよ!?」 「急に気になっちゃって」 「志摩がオナニー? なんか性欲枯れてそうじゃね? もう三十いってんだっけ?」 「まだいってねぇよ! 二十九歳だよ!」 「へー。詳しいのな、中村」 岬はぐっと詰まった。 割れたキャンディの欠片を舐めながら「小耳に挟んだだけだよ」とぶっきら棒に吐き捨てた。 「こみみにはさんだ? こみみってどこについてるの?」 「いやいや、あーいうタイプに限ってムッツリっていうか、興味なさそうな風で実はガッツリ肉食系とか」 「脱いだらすごいんです系?」 好き勝手に予想して言いたい放題状態のクラスメートらに岬はこっそり優越感を抱く。 志摩センセェはな、高校生の頃、すごかったんだぞ。 危うい色気(フェロモン)なんてモン振り撒いて、夜の街なんか闊歩(かっぽ)したりして、とっかえひっかえ状態だったんだからな。 ……よくよく考えてみればガチですごいよな。 ……年上とか複数とか早熟すぎンだろ、チクショー、なんか腹立つ。 今はコントロールできるようになって大分落ち着いたみてぇだけど。 直近でセフレは二人以上いたっぽいし。 一人は胸がすごかったし、もう一人はオモチャの手錠なんかプレゼントするよーな……まぁ、スケベな人なんだろーな……クソ、やっぱり腹立つ。 志摩センセェ、どんなオナニーすんのかな。 どんな顔して、どんな姿勢で、どんな手つきで、どんなことオカズにしてすんのかな……。 「志摩センセェ、ちょっとオナニーしてみろよ」 「お邪魔します、そんな当たり前の挨拶より先に羞恥プレイの強要か」 「お邪魔します! オナニーしろよ!」 放課後だった。 ファストフードショップで友達と夕食を済ませ、雑居ビルの底冷えする階段を駆け上がり、岬は志摩の自宅へやってきた。 「バーガーくさい」 夜八時前、志摩はまだ夕食をとっていなかった。 ワイシャツに無地のセーター、ネイビーのスラックス、帰宅して着替えもしていない教師はガラステーブルに乗せていたパソコンを閉じた。 「なんだよ、テスト作成中かよ?」 「ナイショ」 「なぁなぁ、早くオナニー見せろよ」 邪魔にならないようスクールバッグを壁際に下ろし、通学用にしているブラックのモッズコートをダイニングチェアの背もたれにかけ、ブレザー姿になった岬は志摩に飛びついた。 「チーズバーガーやるから!」 ここへ向かう間ずっと抱え込んでいた、まだほんのり熱もつ紙袋を手渡されると「生徒からチーズバーガーの差し入れなんて泣けるな、後で有難く頂く」と志摩は棒読みの感謝を口にした。 「なぁなぁ、早く早く」 「別にいいけど」 「早く早く!」 「そういう気分にしてもらわないと」 岬はキョトンとした。 こどもみたいにワクワクしていた生徒に志摩は意味深な笑みを向ける。 「お前が先にお手本見せてくれたら俺もしてあげる」 あ、しまった、これって。 いわゆる墓穴掘ったってやつか。

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