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間近に迫る素肌に動揺を隠しきれず、行き場に迷っていた視線を恐る恐る志摩の股間へ、正面からブツを拝見して。 岬は絶句した。 ……でかすぎじゃねぇか、コレ……。 「あ」 初心なリアクションを眼鏡越しにこっそり愉しみつつ、志摩は、岬の手をとると自ら導いた。 黒のボクサーパンツのフロントへ。 露骨に滾る熱源を強張る掌に委ねた。 「ッ……勝手なことすんな、急かすなよ」 「待ってたら夜が明けそうだったから」 「ば……馬鹿にすんな……」 初めて触れる志摩の肉欲の証。 掌をあてがっているだけで呼吸が急いて、甘い眩暈がしてきて、岬はゴクリと喉を鳴らした。 「もっとちゃんと触って」 ビクつく手に志摩の手が重なった。 上から押しつけられ、しっかり触るよう促されて、岬はぎこちなく彼のペニスを撫でた。 「コレが……センセェの……」 淫唇のみならず吊り目まで興奮に正直に濡らし、上擦る声で小さく呟いた岬に、志摩はもっと大胆に我が身を触らせる。 布地を高々と盛り上げる昂ぶりに褐色の掌を着地させ、雄々しく張り詰めた双球から頂きにかけ、じっくり辿らせた。 「コレがお前のナカに今から挿入(はい)るワケだ」 拙い愛撫に愚直なまでに反応し、ボクサーパンツの内側でさらなる熱を宿した志摩のペニスに岬はわなわなと震え出す。 「センセェ、ヌいたのいつだよ……なんか、これ、相当……溜まってんじゃねぇのかよ……?」 「ん……いつだったっけ、忘れた」 「……」 「……っていうのはウソ」 「は……?」 「今日の朝」 今朝に処理したばかりとは思えない、掌を犯す屈強な熱。 ……センセェに触ってるだけで気持ちいいとか、どうかしてる……。 「気持ちいい」 志摩の囁きを拾った岬の鼓膜が、心臓までもが、仄かに焦げついた。 「好きな相手に()れられたら、こんなにも気持ちいいなんて知らなかった」 眼鏡レンズの下で、学校では死んだ魚の目と揶揄される双眸をかけがえのない淫魔への愛しさで満たして、志摩はまた笑った。 「そんなん……俺はずっと前から知ってた……」

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