104 / 112
0-8
ソファの背もたれに深くもたれた岬は喉を反らした。
「っ……志摩、ぁ……っ……っ」
甲斐甲斐しく刺激されて勃起した肉芽を啄まれ、舐め嬲られ、しつこく吸われて。
ヤンキー淫魔はソファの上で腹を捩じらせて頻りに身悶えた。
「っ……なんだよ、これ、ぇ……っ……俺の体ぁ……変になってる……」
志摩は眼鏡レンズの下でおもむろに瞬きした。
悩ましげに微痙攣を繰り返し、息を荒げている岬をまじまじと直視した。
「岬、ココでいったことないのか」
よだれで下顎を濡らした岬はぼんやりした眼差しで志摩を見下ろす。
「童貞、処女だっていうのは重々承知してるけど」
「……うっせぇ……」
「まさかオナニーの経験もないとか?」
「ッ……あるわッ、オナニーくらいッ、馬鹿にすんなッ」
「別に馬鹿にしてないけど」
下顎をぐっと拭ったヤンキー淫魔はそっぽを向き、片腕で顔まで隠した。
「……あるけど……チンコでしかいったことねぇ……ソッチの方はシカトしてた……中二の性徴期で発現して……なんかおっかなくて……マトモに触ったことねぇ」
「ああ……そういうことか」
思わせぶりな志摩の口振りに岬はむっとする。
「なんだよ」
「変になってないよ、お前の体」
「へ……」
「ただメスとしていってるだけ」
そう言って、志摩は、再び岬の恥部に深いキスを。
柔らかな淫唇にかぶりつくなり啜り上げた。
「あ……ッ……ッ……ッ……!」
「ん……ほら、いってる……」
「っ……っ……これ、そーなのかよ……? なんか、射精と違くて……ッ……あっ、あっ、あっ……? おいッ、待ッ……ぁぅッ……!」
「……ほら、また……ううん、さっきからずっといってる……」
先程から軽い絶頂を繰り返し、経験のない悶絶感覚にクラクラしている岬をM字開脚のポーズで固定して、志摩は呟いた。
「興奮する」
爪の先まで火照って、全身が性器にでもなったみたいにムズムズしていた岬は心臓をブルリと打ち震わせた。
今にも涙が氾濫しそうな吊り目は初めて見る志摩の舌なめずりを呆然と目撃していた。
「お前自身よりも先に俺が触れて、ココでの快感を教えてる」
これまでに抱いたことのない興奮、癖になりそうな支配欲に志摩は笑う。
見慣れない笑みに身も心も震わせた初心なインサバスを改めて味わう。
「んんっ……ん……っ……志摩ぁ……」
ひどく甘い戦慄に背筋を引き攣らせ、我慢できずに嬌声を連ね、岬は股間に深々と顔を埋める志摩の黒髪を咄嗟に握り締めようとした。
「ッ……ッ……」
寸でのところで止めた。
手繰り寄せたクッションを掻き抱いて耐えた。
過激にご奉仕されても尚、その髪に軽々しく触れるのを何だか躊躇してしまう……。
ともだちにシェアしよう!