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「岬」 「うう……」 「失神するにはまだ早い」 「っ……この……どすけべやろー……ペロペロしつこいんだよ……」 「だってお前が(すこぶ)る気持ちよさそうな反応するから」 「してねぇ!!」 会話の途中、不意にリビングに目映い稲光が過ぎった。 「うわっ」 「近くなってるな、雨もずっとひどい」 ソファにぐったり伏せていた岬はもぞもぞと起き上がる。 来たときと同じ格好でいる志摩の長袖シャツを遠慮がちに引っ張った。 「うん?」 「リビング、もうやだ……」 ここだと、なんか、百合ちゃんに悪いっつぅか……。 「リビングだけじゃなくて」 「へ……?」 「岬の部屋にも俺のこと招いてくれるんだな」 「う……うん」 岬は照れつつも玄関側に位置する自分の部屋へ志摩を案内した。 派手で目立つ見た目に反してモノトーンに統一されたシンプルな部屋。 モップ掛けは毎日欠かさない、やはり適度に整理整頓された室内だった。 ……えーと、で、どうする。 ……俺からベッドに横になるとか、すげーワクワクしてる感あってハズイんですけど。 「家にお邪魔してすぐ思ったけど」 自分の部屋なのに居場所に迷っていた岬は振り返り、眼差しが尖りがちな吊り目を大きく見張らせた。 「どこも綺麗にしてるんだな」 志摩がネクタイを外しているのを目の当たりにし、たったそれだけで……胸が恐ろしく高鳴った。 ……馬鹿だな、俺。 ……どこにも後戻りできないくらい志摩にハマってる。 「な、なぁ、志摩っていつから阿久刀川と仲いいんだよ……?」 おかしなタイミングで質問してきた岬に志摩は眉根を寄せる。 「それ、今すぐに知りたいほど重要なことか?」 じっと見下ろされて岬は口をパクパクさせる。 セミダブルベッドの上、仰向けになった岬に添い寝するように寄り添った志摩。 その利き手はじっとり汗ばむ褐色太腿の狭間に潜り込んでいた。 さめざめと涙する蜜孔を傲慢に貫いた二本の指。 ざらつく膣壁を直になぞられたり、緩々と出し()れされたり、蜜壺内で彼の指が動く度に岬は成す術もなく昂ぶった。 「ん、ぁ、ぁ、っ、っ」 志摩は空いている方の片手を岬の片手に重ねていた。 余念のない指姦についつい岬が強く握れば同等の力で強く握り返してきた。 ……こんなん、普通にむりだろ、ハズイにも程がある……。 あんまりにもされるがまま、すんなり服従してしまう自分が不甲斐なく、少しでも意識を逸らしたくて。 「ど、どっか遊びいったりしたのかよ、ウチとか行ったりしたのかよっ?」 岬は口を開かずにはいられなかったのだが。 「岬は阿久刀川のことが気になるんだ?」 さらに奥へとやってきた指先の嗜虐性にぶわりと涙した。 「お、奥、こんな奥まで来んなぁ、どすけべっっ」

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