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「ぁっ……ぁっ……んっ……ぁっ……ぁっ……」
「岬、すごくおいしい」
「ッ……志摩、ぁ……」
「俺のぜんぶ蕩けそう……」
褐色太腿の間に居座って律動に励む経験豊富な腰。
規則的に前後していたかと思えば、滑らかに波打って、時に大胆な振り幅でもってロングストロークに興じたり。
「ぁぁっ……だめっ、また……っ……いきそっ……いく……っ……!!」
先程から岬はドライで何回も達していた。
射精には至らずに純潔ペニスをただビクビクと震わせ、平らな褐色胸を色っぽく反らし、志摩をぎゅうぎゅう締めつけながら恍惚の海を漂っていた。
「ぁ、ぁぅ、ぅぅ、ぅ……」
切なげに眉根を寄せ、ろくに喋れずに感極まっているインサバスに志摩は笑みを深める。
「……ジロジロ見んじゃねぇ……」
数秒ほど虚脱した後、志摩と目が合い、恥ずかしがった岬が顔を背けようとすれば。
「俺に純潔奪われてる岬、ジロジロ見てたい」
直ちにキスされてちょっとした反抗心など容易く削ぎ落とされた。
頻りに唇を開閉させては下肢と同様に舌先も密に交わらせる。
角度を変え、互いの口内を行ったり来たり、生温い微熱の共有にのめり込んだ。
「俺もそろそろいっていい?」
岬は志摩と唾液を連ねたまま吊り目を瞬 かせた。
「岬のここで」
汗で滑る腹を意味深に撫で上げられる。
「思う存分、いかせて」
レンズ越しに真摯な眼差しを浴びて岬はどうしようもなく全身を疼かせた。
額や目尻に前髪を張りつかせ、二人分の唾液に塗れた唇を怖々と動かして「い……いいよ……」と何とも健気な回答を。
白アッシュ髪を掻き上げて額にキス一つし、志摩は、岬の両サイドに両手を突かせた。
とろとろな蜜孔内で始まった激しいピストン。
膨れ上がった熱源に引っ切り無しに腟壁が擦り立てられる。
痛みはなく、ただただ恍惚に拍車がかかり、岬は志摩のしなやかな両腕に爪を立てた。
「岬、俺と一緒にいって……」
「ぁっ、ぁっ……なんだよ、これ、ぇ……っ……ぃっ……ぃぃっ……きもひぃっ……志摩ぁ……っ」
「……ッ」
またドライで絶頂した岬に志摩は短く呻吟した。
迫りくる膣壁にギチギチと挟み込まれ、それでも過激な律動を一頻り続け、蜜孔の最奥で一思いに果てた。
インサバスの胎底に勢いよく放たれた白濁。
空中に掬い上げられていた岬の爪先があからさまに引き攣った。
「ッ……ッ……ッ……ッ……し、ま、ぁ……」
「ッ……岬……」
「ゃ……っ……まだ射精 て……っ……しゅげ、ぇ、いっぱい……」
「は……ッ」
岬は限界まで眉根を寄せた。
耳元で低く喘ぎながら雄々しく射精する志摩に未発達の子宮まで過敏に打ち震わせた。
……志摩に中出し、された。
……もしも第三次性徴期の後だったら、俺、もしかしたら志摩のあかちゃんを。
「ん……岬……」
「……弓誓 ……」
束の間、気怠そうに閉ざされていた志摩の瞼がやおら持ち上がった。
褐色の首筋に埋めていた顔を上げ、眼鏡をかけ直し、わかりやすくそっぽを向いている岬に視線を注いだ。
「……お前の名前呼びづれぇ、やっぱ苗字でいーや……」
自分だけ下の名前で呼び捨てにされっぱなしで、言い慣れない志摩の名を何となく呼号してみれば、無性に照れてしまったヤンキー淫魔。
「誕生日おめでとう、岬」
愛しくて堪らずに、歯止めのかからない欲望に身も心もまんまと乗っ取られた志摩は、その言葉を突発的に口にした……。
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