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「なっ、なっ、なんで俺が今日誕生日だって知ってんだよ!?」 「一緒にいたら自然とわかるだろ」 「しっ、自然とわかるかーーー……! っ、ぁ……い、やっ……も、むり、だめ……っ」 岬は息苦しそうに喉を強張らせた。 ベッドから移動するよう促され、覚束ない思考のまま一先ず従い、部屋の壁際によろよろ立ってみれば。 後ろから志摩にぐっさり()し貫かれた。 慌てて壁に両手を突き、何とか崩れ落ちないようバランスをとったはいいものの、腰を掴まれてじっくり出し()れされた。 「お……俺はお前の誕生日知らねぇしっ……立ってヤんの、キツイ……」 「好きなんだ、この体位」 「は……ぁ……?」 「岬が必死になって壁に縋りついてるの見てたら興奮する」 ……このどすけべドSが……。 岬は志摩の代わりにクリーム色の壁を空しく睨みつけた。 が、恐ろしく硬度を保ったままのペニスにもったいぶったスローテンポで最奥を小突かれると、険しげだった吊り目は見る間にとろんとした。 志摩の残滓で卑猥に泡立つ結合部。 後ろから蜜孔に深々とめり込み、子宮口付近にまで頂きが届くと、堪らず壁を引っ掻いた。 「あ、あたる……あたってる……俺の子宮に……志摩の……」 ポルチオ性感帯をゆっくりたっぷり刺激されて今にも脱力してしまいそうな岬のうなじに、志摩は、密やかに笑いかける。 「ふにゃふにゃになってく岬、可愛い」 「っ、ぅぅぅ……っ……お前も、ふにゃふにゃの、ふにゃちんにしてやる……っ」 「本当? ふにゃふにゃになるまで俺の相手してくれるんだ?」 ……しまった、墓穴掘ったかもしんねぇ。 「あっ?」 それまで長らく放置されていた純潔ペニスが志摩の利き手に捕らわれた。 シャツを脱ぎ捨て、全裸になっていた彼は膣孔最奥へ押し込んだ肉杭を細やかに振動させつつ、岬の熱源を愛撫した。 インキュバスを父親に持つ岬は童貞男子ながらもなかなかご立派で。 カリ首から上の、華麗に剥けた薔薇色の先端を掌で包み込み、揉むようにしごき立てた。 「っ……っ……だ……め……っ……っ……!!」 岬は呆気なく達した。 ほんの数回、志摩の掌が上下しただけで溜め込まれていた白濁を存分に解放させた。 「うッ、ッ、ッ……ッ……はーーー……ッ……はーーー……ッ……」 鈴口から次々と噴き零れてくる濃密泡。 親指の先を浸からせ、小さな円を描くように志摩がやんわり擦ってやれば「やらっっ」と呂律の回らない悲鳴が上がった。 「も……チンコさわんなぁ……っ……俺からチンコ抜けぇ……」 「岬、俺のことふにゃふにゃにするんじゃなかったの」 「ひッッ」 ペニスの次にクリトリスをムニ、ムニ、意地悪に(いじ)くられて岬は危うく崩れ落ちそうになった。 寸でのところで堪えると涙ボロボロな吊り目で肩越しに志摩を睨んだ。 次から次に涙の溢れ出る双眸で睨まれた志摩は、正直なところ、ド興奮した。 「もっと睨んで」 さり気なく括れた腰を抱え込み、子宮口付近にペニスを押し当て、グリグリと擦りつけた。 「もっと泣いて?」 逃げようともがく岬にさらに身を寄せ、壁と我が身で挟み込むと腰を大きく回し、深部に潜むポルチオ性感帯に際どい刺激を植えつけた。 「や……っだ……やらってばぁ……そこ、やぁ……っ」 より一層ふにゃふにゃ化していく岬に心身共に限りなく滾る。 「岬の子宮、俺のでいっぱいにしたい」 淫魔の(さが)が猛然と暴れ出し、かつて純潔のインキュバスが本能としていた孕ませ欲に駆られた。 「奥の奥まで俺のものにしたい」 「っ……も……なってる……」 一度踏み入れたら誰もが虜になる、()だる肉奥の迷宮に我を忘れて耽溺していた眼鏡淫魔は、かろうじて聞こえた呟きに微かに息を呑んだ。 「ずっと前から……おれ……志摩のモンになってる……」 志摩は……インサバスの魅惑の迷宮から脱した。 もうへろへろになりかけているヤンキー淫魔を抱き抱え、ベッドへ戻った。 「ん……ぷ……」 お膝に乗っけて不安定にグラつく体を支えてやり、緩んだ唇にキスを繰り返す。 ほんの束の間の隔たりにさえ心許なく感じていた肉杭をインサバスの蜜壺へ速やかに帰らせた。 「ふ……ぁ……っ……志摩ぁ……」 「もう、さっきみたいに、あんな奥にまでは行かないから」 「……うん……」 岬はこどもみたいにこっくり頷いて志摩に抱きついた。

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