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ベッドに眩しい光が射していた。 眩しすぎて目を開けられない……、背中は陽を受けてほんのり暖かく、このままずっと寝ていたいと思った。 でも意識の覚醒と共に、指先や頬が暖かな物に触れる感触が蘇る。 何だろうこの心地良い感覚……、俺は誰かに抱きついているようだ……、体温が気持ちいい……。 え! ……誰に? そこでハッとして目が覚めた。 俺の腕は隣の人物の胸に回されており……、顔はその脇のあたりに埋めていた……、だが顔を上げて隣の人物を確認するのがめちゃ怖いんだけど……、俺は誰に抱き着いているんだ? 自分でも血の気が失せるのが分かった。 もしかして俺……やらかしたのか? 裸で誰かに抱き着いているとか普通じゃないよな……。 怖ぇぇぇぇ! 誰だよこれ……、指先を心なしか浮かせてしまったが、もう後の祭りだ……、俺こいつと寝たのか? うわぁぁ、恐怖に顔が引き攣る。 でも、確かめなければいけない……、ずっとこのままじゃいられない。 恐る恐る目を上げると……。 「し……づき……?」 ヘッドボードに軽く凭れながら雑誌を見ていたらしい静月が、こちらに目線を移したので目が合った。 その表情はすこぶる機嫌が悪い……に違いない。 それでも今の俺は、ほっとした……、静月で良かった……、隣の人物が知らない人だったらどうしようかと少しばかり悩んでしまい、真っ青になる所だった……いやなってたか……。 ここはどうやらお馴染みになった静月の家らしい……、良かったここで……、そう思うと、殺していた息をゆっくり吐くことができた。 そして安堵と反比例して急にズキンズキンと頭痛がし始めた。 なんだ、この痛みは……、確か昨日、街で長瀬と会って食事に誘われて……、光太郎さんとこに寄って、ああ……長瀬のビールを一気飲みしたんだっけ……、それから……それから? 記憶が無い……。 俺はどうしてここに居るんだ? 「赤くなったり青くなったり……、今俺の家でホッとしたろ?」 「え……そんなこと……ねぇし……」 言い当てられて声が小さくなる……、バレバレだよな……、そうさ、正直安心したよ静月の家で、隣の人物が見知らぬ奴だったらどうしようかと思って、顔を上げるのに勇気がいったわ。 序に、頭が痛いのでもう少し何も聞かずに黙って寝かせてくれ……。 「葵、昨日のこと覚えてる?」 やたら冷静な声が頭上からした。 こういう時は、なんとなく嫌な予感しかしないんだけど? 怖くてもう目を合わすことすらできない、何故なら……おまえ怒ってるんだろうぉ?

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