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第3話

てなわけで放課後はあっと言う間にやって来る。 HRが終わるとみんなそれぞれ部活へ行ったり岐路につくために教室を出て行くと、静かな教室には俺と静月が取り残された。 「ほら、教科書広げて」 静月がさっそく、怠い放課後の勉強に頭がシャキッとしない俺に命令した。 本来なら今頃可愛い女子といちゃこらしてるお時間で…。 俺がノロノロと教科書を広げる様を見ていた静月は、怒ったように目を細めていたが何も言わずに、早速俺がどのくらい理解しているのか簡単な復習の後、いくつかテスト問題を作成して解くよう命じた。 まあ、見事に解けなかったわけで…。 「…」 絶句してやがります…。 「なーなー、ちょっと休憩しない?」 腕組みをしながら今後の傾向と対策を練ってそうな静月の顔色を伺いながらそう提案したその時、教室のドアがガラリと開いて二人の女子が入って来た。 「河野君、静月君お疲れさま、これ差し入れです~休憩時間にどうぞー」 「おお、環ちゃん、ミクちゃんあんがと~、嬉しいな!!!」 二人は缶コーヒー2個と、クッキーの袋を持って来てくれた。 今巷で人気のアイドル歌手そっくりな環ちゃんは、週二のペースで俺とにゃんにゃんする仲で、スタイル抜群Eカップ美乳の持ち主だ。 隣のミクちゃんは前に一度だけHしたが、最近では静月の隣に侍っていたが俺は別に気にしていない、環ちゃんがいればほぼ欲求は満たされるし、他にも寄って来る女子はいくらでも居る。 どうやら静月ファンのミクちゃんと俺ファンの環ちゃんが結託して、ここに差し入れを持って来てくれたようだった。 だけど隣の静月は不機嫌顔で、礼のひとつも言わないものだから女子たちは空気を読んでそそくさ教室から出て行った。 「折角だから食べよーぜ!」 そう言って、缶コーヒーに手を伸ばした瞬間、バシッと静月に手を払われた。 「痛ってーーーーっ、何すんだよ!」 「まだ30分しか経ってないよね?真面目にやれ」 「俺の集中力はどうやら30分らしいから、ちょっと休憩ーーーっ」 再び手を伸ばすも、さっきよりさらにきつく手を叩かれた。 「おい!!!痛てーだろ!飲ませろよコーヒー!」 その時、俺のスマホが鳴った。 「お?さくらちゃんだ~」 久し振りのラインに思わず口に出してしまったのだが、そのスマホでさえ素早く静月に取り上げられて俺は盛大に文句を言った。 「てっめ~~、何しやがる!返せよ!」 「ふざけんなよおまえ、やる気ないだろ?」 「あるに決まってんじゃん!でも、取りあえずスマホ返せよ、すぐ返事しときたいからさー」 「…」 その時、再び入り口のドアが開いたかと思うと、今度は別の女子二人組が入って来て、コンビニ袋に入ったプリンを持って来てくれ、机の上に置いてくれた。 「差し入れです、食べて下さいねーー」 「ありがとね~~~」 俺は嬉しいので微笑んだが、静月はそっぽ向いて無視している。 そんな静月に気付いてないのかいるのか、女子は愛想よく笑って風のように去って行った。 「なー静月…、俺プリン食べたい~」 「…」 もうこの時点で静月は頭を抱えて何も言わなくなっていたので、俺はコーヒーのプルトップを開けて一口飲んでから、プリンをむしゃむしゃ食べ始めていた。 「なー、これ美味いよ?食べようよ静月も」 「いらない」 一言そう言っただけで、静月は恐ろしく冷めた目で俺を睨んでいたけど、気にしないことにした。 そんな俺は次の日、静月の提案に驚かされることとなる…。

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