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第18話
何だかちっとも天国じゃないんですけど……。
これは……、むしろ地獄だろ!!!
地獄だ!!!
そして静月は超絶ドSの悪魔くんだ!!!
「動くぞ……」
それでもまあ……、俺の息が整うのを待ってそう言った。
「え?」と、思ったのもつかの間……。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
静月の打ち付ける振動が俺を揺さぶる。
ぐはっ!
「まて、まて、まてーーーっ!」
「待たない……」
そう、きっぱり告げられた。
有無を言わさない静月の俺様っぷりに、なんかすげぇ敗北感に襲われる……。
結局、何だかんだとヤラレちゃってる俺……。
腰を振りながら静月がずっと俺を見ていたから、恥ずかしくなってそっぽを向いたが、すぐに顎を取られて正面向けられる。
「葵、俺を見ろ」
なんでだよ……、俺を征服したつもりか?
もうすっかり抵抗する気は失せたわ……。
もういい……、こうなれば一秒でも早く終わって欲しかった。
身体をユサユサ揺られながらそう思っていた……。
だけど次第に痛みが遠のいてゆく……。
苦しいような苦しくないような……、痛さが和らぐと今度は……何だか……そう……、呼吸が楽になり……、そして何よりも……じわりじわりと下半身がもやもやしてきたのだ……。
これって……。
そしてあろうことか……。
「あ……っ……!」
思わず声が出た。
そのもやもやが電流のように突然体中を駆け巡り、俺は思わず声を漏らした。
そしてそれを待ってたかのように、静月は動きを止めると俺を見下ろしながらニヤリと笑った。
「すぐ気持ちよくなるよ」
「な……なる……わけ……」
反論しようにも、下半身にじわじわと熱がこもり始めたのを感じて顔が熱くなる。
「お前の感じるとこ見つけたから」
う……、嫌な予感がする……、そうさ思わず声が出たけどさ……。
でも意地悪そうな表情を浮かべた静月は、男の俺が言うのもなんだが……、めちゃ……魅力的だった。
「ここだろ?」
そう言うなり、腰をぐいっと動かすと俺の体に再び電流が駆け巡った。
「うぁぁぁ……」
否応なしに声が出て、思わず身体が仰け反った。
やめてくれぇぇぇぇ!
身体がガクガク震える。
恥ずかしさに顔は真っ赤に違いない……、熱い頬を意識しながら静月を見返すと、嬉しそうに微笑んでやがった……。
欲の波が俺の身体を侵食するようにじわじわと侵してゆく……。
何これ……、俺いったいどうしちゃったの!!!
「ひ……ひゃっ……」
うぐぐ……、声が漏れるのを腕で塞ごうとすると、再び腕をとられて頭上に貼り付けられた。
「葵、聞かせてくれよ……感じて泣き叫ぶ声を……」
「死ね!」
こいつ鬼だ!
こんな羞恥をこいつに見せるかと思うと、余計に腹が立ってきた。
だけど静月が腰を動かす度に俺の下半身にたまらなく熱が貯まる。
うぐっ……。
クソッ……。
暑い……、身体全体が熱に……欲に浮かされて行く……。
もう何も考えられないくらい頭も体も痺れている。
「あぁ……あ……、ぁ……し…静月……」
「なんだ?」
俺は思考が麻痺しそうになってるって言うのに、やたら冷静な声が返ってきた。
さっきから快感が止まらない……、静月の動く腰に手を回したい、とか思ってしまった……。
「手……放して……」
「だーめ」
「お……ねがい……だから……」
「俺お前を犯してんだよ?それじゃただの情事になってしまうじゃん」
そう言って、静月はケラケラと笑った。
でもさっきおまえ合意って言ってたじゃん!
犯すだと?
結局、その響きが好きなんだろ?
言葉攻めか!
悪くない響きだと思う俺もかなりの変態だな……。
でもこの状況、確かに犯されてるよな……俺……。
それでもって……。
困ったことに…嫌じゃ……ない?
それどころか、どうにかして欲しいこの熱を……、早く早く……。
「うあぁ……、ぁ……ん……やめ……そこやめ……ろ……!」
執拗に攻め立てる静月の息子ちゃんが、俺の感じる部分をぐいぐい擦り立てるので、俺は息も絶え絶え身体が震える。
「葵、可愛いな」
「う……ぐぐ……んぁ……ぁぁ……ぁ……」
見たこともないような甘い顔して、静月が俺を覗き込んでいる……。
静月も感じているのか幾分頬が紅潮していた。
そして覆いかぶさってくると激しく口づけをした。
ちゅ……、じゅるり……、どちらの物ともしれない唾液が俺の口から零れて喉に落ちた……。
甘い口づけと、激しい腰の動きが俺の欲を煽る……。
そして、徐々に静月の腰は最奥めがけて強さを増し、もう完全降伏でなすがままにあんあん喘ぎ声をあげて、俺は全身で快楽を受け止めていた。
「あ……ん……う……あぁぁぁぁ」
パンパンパンッ……腰がぶつかり合う音が乾いた室内で反響する。
俺と静月……二人だけの密室でいけないことをしている俺ら……、男だとか女だとかもう関係なかった……、ここにあるのは濃密な時間の、今まで味わったことのない激しい快楽しかなかった。
性別なんて最早どうでも良かった。
圧倒的な存在を見せつけるような均整の取れた裸体や、文句のつけようがない顔に見惚れてると、自分がまるで雌のようになった錯覚さえ起こされる。
そして何も考えられなくなる。
俺は静月に体を揺さぶられ舐められ成すがままでも、それさえも全て受け入れ、好きに扱って欲しかった。
静月が教えてくれる強烈な快楽を、俺はもう拒否することなど到底できなかった……。
ハァハァ……ハァハァ……。
二人の息遣いが荒くなる。
俺は指をぎゅっと握りしめてただただ快楽に身を委ねていた。
「葵……、綺麗だ……」
静月は意外にもやたら真剣な目をして、俺の汗ばんだ額に張り付いた髪の毛を優しく振り払う。
「イクぞ……」
それがどういう意味だか分かってはいたが、俺はもう声が出なかった為コクコクと頷いた。
それが合図のように、更に静月の腰つきが激しくなり、俺の全てを奪うかのように突き込んできた。
ああ……こんな狂おうしい程の快楽は初めてだ……。
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