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静月と別れて以来胸の奥がズキズキと痛んでいた。
あんなこと言うから俺が静月に惹かれるのは、身体なのかと思ってしまったが、まあそっちの理由の方が男を好きになったというより、ずっとまともなような気がするが、でもそうじゃないってことはとっくに分かっていたような気がする。
静月が『好き』だとか言うくせに、俺を突き放すようなことを言うから、悩んでしまったのも事実で、あれ以来俺の心はシクシク痛んでいた。
「ほら、さっさと行けよー、行っちまえーーーっ!!!」
将生が抱き着いていた俺を、自分の身体から剥がそうとしていた。
「やだーー、お前と居るーーーっ!」
「俺もお前に居られたら苦しいんだよーーっ!」
その言葉に俺がハッとして顔を上げたら、将生が泣いていた……。
「ちくしょーーーっ、お前を好きなのは誰にも負けないのに、お前が好きなのはあのいけ好かない静月とか、ねーわっ!」
「将生……」
ガキのように大粒の涙をぽろぽろ零している。
「でも俺はお前に幸せになってもらいたいんだ、泣いてる顔なんか見たくねーんだよ!!」
「おまえが泣いてるし!……しかも大泣き……」
「おまえのせいだ!」
将生はこっちの涙が引くくらいに、大泣きしていた。
ほんとにいい奴だ。
俺が将生の元に留まったら、将生を傷つけるだけだ。
俺だって将生の泣き顔とか見たくねーし。
それに、これ以上俺の自分勝手な理由で将生を巻き込みたくなかった。
そして俺は、こんなにも静月を追いかけたいと思ったことは無かった……。
そうだ、これが恋じゃなくて何だと言うんだよ!
クソ腹立つ……!
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