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きっと、部屋連れ込んだらヤルよな……、あの静月だし……。
節操の無いのはお互い様か、おまえこそおまえの言う『好き』って、単に身体の相性が良くて好きなんじゃねーのか?
結局はすべて遊びだよな……。
でも、不思議なことにそうは思えない時もあるが……、それも気のせいか……。
半分ジョークで半分は真剣?
ほんと、意味わかんねー。
だけど……、それでも、一度ちゃんと俺の本当の気持ちを伝えておきたい。
どっちにしろ、このままじゃ嫌だ。
潤と二人が部屋に行こうとしてるのを止めることが出来るなら、告白のひとつやふたつどうってことない。
それほど、部屋に行って欲しくなかった、何が起こるか分かりきってるから……。
そう思うと俺は静月を追って走り出した。
「待ちやがれ、静月!」
振り絞って出した声は静月を振り向かせたが、かなり迷惑そうなのはその寄せた眉間を見ればわかった。
黙ったまま俺を見返している。
「話がある」
少しの間俺を見つめていたが、ため息をひとつ吐くと潤に先に行くよう告げて俺の方に歩いて来た。
「なに?」
そう言いながら、メガトン級に不機嫌な顔して俺の前に立つ。
ちょっと怯むよな……その顔……。
だけど、やっぱイケメンだよおまえは、俺はこの顔になりたかったよ。
この状況でさえそう思える綺麗な顔はマジで迷惑そうな顔をしている。
まあ、昼間の状況を見た後ではしょうがないよな、あれは俺が悪い絶対悪い。
分かってるんだけど、俺が誰よりも一緒に居たいと思える静月への気持ちは固まっている。
さあ、頑張れ俺。
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