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ーーで、今に至る……。
「あぁぁぁっぁ……イクッ!だめ……も……いっ……、い……クッ……っ」
俺は上半身を崩れ落としながらうつ伏せになってシーツを握りしめていた。
何度目かの絶頂が近く、ヒクつく俺の腰に反応する静月からも声が漏れた。
「くっ……、ハァ……」
そして、いっそう大きく内壁をプッシュされた時、俺は恥じらいも無く大声を出して崩れ落ちた……。
「う……、あぁぁぁぁぁっ……、あ……っ!」
同じくして果てる寸前で静月はチンコを俺から抜き取り、果てて人形のようになすが儘の俺の身体を仰向けにすると、俺の腹の上に精液をぶちまけた。
今日の静月は中出ししない……。
この短時間に何度イカされたか分からないが、静月は一度も中に出さなかった。
それが意味する所を知って悲しくなる。
「先にシャワー浴びて来なよ、遅くなったから時間無いよ」
やることやったらサッサと帰れってことかよ!
相変わらず冷めた奴だ。
何時も思うけどもっとこう……、思いやり?
そんなものが欲しいじゃないか、俺は快楽の余韻に浸りたいのに……、この悪魔はエッチが終わったらとっとと帰って欲しいらしい……。
「何だよ、その言い方!」
「朝までヤリたかったの?ダメだよ葵はすぐ授業中寝ちゃうからね」
「ちがう!!もっと……」
「もっと、なに?」
真顔で見つめられて返答に困る俺……、だってエッチの後はトロトロになってる女子な俺にもっと優しくしてとか……、まあ……こいつには死んでも言えないな……。
「終電には間に合うように終わったつもりなんだけど?何度もイッたでしょ、それともまだ足りないの?」
最低こいつ……。
「やっぱお前って、噂通りの奴だな、やったらそれで終わり!」
「葵がそれ言う?葵の方がまだ酷いと思うけどね」
「どういう意味だよ……」
「葵は俺の居ないところで何時も誰かに手を出してるじゃないか」
手を出すとか……、う……、昼間の事を言ってるんだな、まあ確かにそう言われればそうかもだけど。
静月の言葉がヒヤリと俺の胸に刺さった。
「何度も忠告したよね?でも葵は俺以外の奴にすぐ手を出す」
「それは……」
静月がこっちを向いてくれないから……、寂しいから、とは言えなかった。
流石にプライドがそれを許さない。
「葵……俺たち今日が最後だよ」
え……?
何だって?
……今、なんつった……?
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