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俺……しっかりしないと……。 将生に癒しを求めたり、元の生活に無理矢理戻ろうとして、静月を消し去ろうとした結果がこれだ。 将生の優しさにフラフラ乗っかっちゃって度を越した遊びをしてしまい、そして静月に嫌われてしまった。 結局、一番欲しかった……側にいて欲しいと思った本命が、俺の元から去って行ってしまった。 すべてが自業自得……、もう取り返しがつかない。 休憩時間になると静月の回りは相変わらず取り巻きが大勢いて、あいつは何も無かったように笑顔さえ見せている、なのでちょっとばかり腹立たしかった。 そんな俺は誰とも会話したくないので机につっ伏して、遠くに流れる白い雲を見るともなしに見ていた。 静月には関わらないようにしようと何度ももがいたが、どうにも関わりを経つことができなくて、最後には心まで掴まれてしまったが、一方的に関係を終わらせるという言葉を聞いた今、心に大きな穴が開いて身体の中心を、風が吹き抜けていくような感覚がしていた。 ぐだぐだ悩んでなくて早く気づけよ俺……、て話だ。 最初から、どんとぶつかっとけばこんなことにはならなかったと思う。 かってない感情をちっぽけな理性で下手に否定しまくった挙句、関係ない親友まで傷つけて……。 そう言えば、前に瑛斗が言ってたじゃないか。 『……凌駕は一見遊び人風なんだけど、実際、恋愛に関しては真面目だしね、きっとその子の事を思い続けていると思うよ』 そん時は、ホントかなぁとは思いつつ、あいつに限ってそれは無いだろうとどこかで脳内否定したっけ……、だって噂じゃ遊びまくってるって誰もが言ってたし。 もしかして、俺が将生に静月の代わりを求めたように、静月もまた俺にそいつ……潤の代わりを求めていたのかも知れないな……、だとしたらそこはお互い様だけどな。 確かに静月は潤との再開後にも親密そうには見えたが、あいつのことは否定していた。 潤がその相手だったとしても、もしかして俺と遊んでた時は少しばかり本気で考えていてくれたってことかな……、静月は意外にも俺とのことをもっと真面目に考えていたのだろうか……、だとしたらあいつに比べて俺はなんてビッチだっただろうか……、俺は潤と静月の関係を嫉妬して、自棄になって本気で将生とエッチする気だった。 今でもそこは将生の理性に感謝している。 静月の代わりをマジで将生に求めてしまった、そこが基本的に違うのかも知れない、ビッチな俺は静月に愛想つかれた。 放課後になって帰ろうとしていたら、隣のクラスの学級委員長を務める『真田光一』が俺の所へやって来た。 見た目は昔からよくいる前髪が黒ぶちメガネに届きそうなのガリ勉タイプで、下手したら虐め対象にもなりそうなひ弱そうな見てくれだが、頭の良さと、その勢いと気迫で相手を制圧できてしまうような奴だ。 「河野君、今日から僕が君の補習を受け持つことになった真田です。よろしくね」 「え……、静月は?」 いやまあ、静月と補習どころでは無かったんだが、どういうことだろうと思って聞いてみた。 「彼はほらいろいろ忙しいので、君の面倒を見るように頼まれたんだ。大丈夫、僕がきっと合格点出させてあげます!」 熱血委員長はそう言って自信満々に微笑んだ。 そっか……、静月はマジで俺との関りを切ろうとしてんだな……。 自業自得とはいえショックで力が抜けてヘナヘナと椅子に座り込んでしまった。 それを真田光一は俺が勉強すると思ったらしく、はりきって『さぁ、頑張りましょう!数学の本を開いてください!』そう言った。

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