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第24話

「葵はエロくて最高だ……」 そう言って、唇を放した静月は俺の乱れた髪の毛を顔から払ってくれる。 お前こそな……、口にはできなかったが本当に俺はそう思っていた。 今までのエッチは何だったのだろうかと考えさせられる程に、静月とのエッチは最高だった。 「今晩泊って行けば?」 「ダメ……だし……」 「朝までやろうよ」 「死ぬわ!」 こいつ見かけより馬鹿だよね? そしてゲスかった……。 「じゃあ、言うこときかないのなら身体から攻略するか」 え? そう言うなり、静月は俺の首筋を軽く食んだ。 うぉ! 身体がブルッと震えた。 「やめろや!」 「ここ感じるよね?」 「殴るぞ!」 俺はきっと真っ赤に違いない、静月の言う通りだからだ。 更に耳たぶを舐められ熱い吐息と共にキスをされると、我慢できなくてシーツを手繰り寄せながら身体を捩った。 「ほんと身体は正直なんだから」 静月はくすくすと笑う。 「ね、本当に男初めてなの?」 「あ、あたりまえだろ!そんな趣味はねーわ!」 「じゃあ、俺が初めての男なんだね、萌えるわ」 そう言って、意地悪そうな笑みを浮かべた静月が俺を見下ろしていた。 顔が整っている分、そんな表情をすると冷淡さが増して余計に腹立つ。 頭がクリアになり正気に戻ると、マジでこいつ嫌いだと思った。 「どけよゲス野郎、帰るから」 「拗ねるなよ可愛い葵」 親指で俺の唇を撫でる。 「可愛いとか、女子に言え!」 「じゃあ、綺麗がいいかな」 「どっちもだろ!男に言うセリフじゃねー!」 「俺は言うけどな」 ああ、そうだろうよ……。 お前がゲイだってこと忘れてたわ。 きっと付き合って来たのは綺麗な男だったんだろう……、例えば瑛斗のような? あいつが居るのにどうして俺とこんなことしてんの? 恋人がいても平気で浮気するような最低野郎なのか? うん、まあ……こいつ、いろいろエッチ以外は最低だろうな……。

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