24 / 213
第24話
「葵はエロくて最高だ……」
そう言って、唇を放した静月は俺の乱れた髪の毛を顔から払ってくれる。
お前こそな……、口にはできなかったが本当に俺はそう思っていた。
今までのエッチは何だったのだろうかと考えさせられる程に、静月とのエッチは最高だった。
「今晩泊って行けば?」
「ダメ……だし……」
「朝までやろうよ」
「死ぬわ!」
こいつ見かけより馬鹿だよね?
そしてゲスかった……。
「じゃあ、言うこときかないのなら身体から攻略するか」
え?
そう言うなり、静月は俺の首筋を軽く食んだ。
うぉ!
身体がブルッと震えた。
「やめろや!」
「ここ感じるよね?」
「殴るぞ!」
俺はきっと真っ赤に違いない、静月の言う通りだからだ。
更に耳たぶを舐められ熱い吐息と共にキスをされると、我慢できなくてシーツを手繰り寄せながら身体を捩った。
「ほんと身体は正直なんだから」
静月はくすくすと笑う。
「ね、本当に男初めてなの?」
「あ、あたりまえだろ!そんな趣味はねーわ!」
「じゃあ、俺が初めての男なんだね、萌えるわ」
そう言って、意地悪そうな笑みを浮かべた静月が俺を見下ろしていた。
顔が整っている分、そんな表情をすると冷淡さが増して余計に腹立つ。
頭がクリアになり正気に戻ると、マジでこいつ嫌いだと思った。
「どけよゲス野郎、帰るから」
「拗ねるなよ可愛い葵」
親指で俺の唇を撫でる。
「可愛いとか、女子に言え!」
「じゃあ、綺麗がいいかな」
「どっちもだろ!男に言うセリフじゃねー!」
「俺は言うけどな」
ああ、そうだろうよ……。
お前がゲイだってこと忘れてたわ。
きっと付き合って来たのは綺麗な男だったんだろう……、例えば瑛斗のような?
あいつが居るのにどうして俺とこんなことしてんの?
恋人がいても平気で浮気するような最低野郎なのか?
うん、まあ……こいつ、いろいろエッチ以外は最低だろうな……。
ともだちにシェアしよう!