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将生まで何言いやがるんだ。 もう忘れたいのにほっといて欲しい。 あいつもあいつだ、本気だとか、頭を下げたとか、そうやってみんなを騙すの止めろよな、ちょっと後ろめたいからって、そんなこと言ってるんだろうけど、いい子ちゃんぶってんじゃねーぞ! マジで疲れる……。 「お兄ちゃんお帰りー」 玄関の扉を開けると、奥の部屋からすずいが飛んで来た。 なんだなんだ? 今まで帰宅時に一度も出迎えてくれたことなんてなかった妹が、愛想よく微笑みながら、スマホを俺に向けるとパシャリと写真を撮った。 「何だよ」 「これね、凌兄さんに送るとこー、言われてたの、帰宅したら教えてって!」 「凌兄さんて……静月のことか!」 「そうだよぉ」 嬉しそうに微笑んでやがる。 「ふざけたこと言ってんじゃねーわ!借せよ」 俺が写真を消そうと妹のスマホを取り上げようとしたら、母親が料理してるキッチンへと慌てて走って行った。 「これでよし!」 送信したらしく、母親の後ろに隠れてニマニマ笑っている。 「何で静月とやり取りしてんだよ!」 「すずいと凌兄さん友達だもん!」 「あぁ?いつからだよ?」 「この前家に来たでしょ?あの時、お友達登録したのーっ」 いつの間に……、妹まで手懐けやがって抜け目ないなあいつ。 しかし、この息苦しい程の『俺包囲網』止めてくれ、家族まで巻き込むんじゃねーよ! もう関係ないくせに! さっさとイギリスでもアフリカでも行っちまえ! いや火星でもいいぞ、どうか俺の目の届かないところまで行ってくれ! 俺を振っておきながら今更なんなんだよ、ほんと意味わかんねぇ……。

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