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第27話

ただっ広い南側の窓から太陽の光がキラキラと降り注いでいた。 珍しくいい天気で、だけど風が強いのか、飛ぶように白い雲が流れて行くのが見えた。 目覚めて空が見えるなんていいな……。 あれ……? ここはどこだ……? 視線を天井に向けると、高価そうなアンティークのシャンデリアがぶら下っていた。 これは静月ん家で見たことある……、あれ……待てよ……昨日……。 そこで、昨夜の行為を一気に思い出した俺は、燃えるような頬の熱さを感じながら、一気に起き上がろうとして体中が痛みに悲鳴をあげた。 痛ってーーっ……、起き上がれねぇぇぇぇ……。 恐る恐る隣を振り返ったが、そこに静月の姿は無く、少しばかりホッとした。 なぜなら心の動揺を落ち着けるべく、クールタイムが必要だったからである。 あれから……、一ラウンド目の行為が終わった後、俺は全く歯止めが効かず、静月のなすがまま快楽をただただ求め続けた。 何度果てたか数知れず、精液も枯れ果てる頃に不覚にも意識を手放したようだった。 そう……覚えていないのだ……。 恥ずかしいじゃないか、最中に意識を飛ばすなんて、どんだけ気持ち良かったんだよ……。 もう自分が嫌になる、あんだけ嫌ってた静月にあっさり欲を煽られて、泣くほどあんあんよがってしまうなんて……。 全くもって快楽に弱いらしい。 その結果、身動きも出来ないほどの痛みと、身体全身の倦怠感で指一本も動かしたくなかった……。 で……、ここまで抱き潰した張本人は何処なんだよ? そう思っていたら、バスルームへ通じるドアが開いて、まだ髪の毛が濡れている静月が現れた。 視線を外そうとしたが、バスタオル一枚で出てきた上半身裸の、程よく筋肉がついている綺麗な身体から目が離せなかった。 そしてそこに無数に散らばるキスマーク……、俺がつけたのか? 男につけるとか……どれだけ盛り上がってんだ俺……、正気に戻ると悲しくなってきた。 気分が一気に落ちた……。 そんな自分と葛藤してることなど知りもしない静月は、すっきりした顔で傍までやってくると俺の顔を覗き込んだ。 そして……。 「いつまで寝てるんだよ」 と、恐ろしく冷静な声を掛けてきた。

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