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ビリビリビリッ、ブチッ。 乱暴にシャツが脱がされ、ボタンが飛び散った。 シャツが肩の下まで降ろされた時、周りの男たちが息を呑むのがわかった。 女を見るような厭らしい目つきでニヤニヤ笑ってやがる。 「こいつ、綺麗っすね」 「思う存分ヤッちゃっていいからね」 潤がそう言うと、男たちが騒めいた。 なんだこいつら、俺は男だぞ? おかしいだろ、そんな趣味あんのかよ? 離れた所に居る由紀ちゃんのすすり泣きが聞こえる。 次の瞬間、誰かの手が俺のベルトに伸びて、カチャカチャ音を立てて外されると、一気にズボンが降ろされた。 「あははははっ、こいつ勃起してやがる、淫乱な奴だ」 「やめろ……」 「すぐに泣いて懇願するようになるさ、ヒイヒイ言わせてやるよ」 悔しいが、薬が効いてるらしく全く力が湧かない。 なのにチンコが疼くとか……、泣きそうだ。 それから、手を後ろに縛られたまま、汚くて広いテーブル前に後ろから突き飛ばされ、その上へ強引にうつ伏せにされた。 これまた誰かの手が俺の頭をテーブルに押さえつけたので、さっき地面で擦り付けられた頬の辺りが、ヒリヒリとナイフで切れてるかのように痛んだ。 マジやべぇ……、俺もこれで終わりか……。 「気味がいい、調子に乗るからだ。さあ、最初に僕が犯そうか、凌駕のお気に入りのお前を味わってやるよ」 「……ざ……けんな!」 「生意気な目だね。おまえなんかみんなで犯しゴミ屑のように扱って道端に捨ててやる、死ね!」 潤は嬉しそうな甲高い声でそう叫んだ。 その左手が、俺の下着を掴んで下げようとした時、後ろの倉庫の入り口付近から爆音が轟いた。 ゴゴゴゴゴッ、バリバリ、ガシャーン! 大音響が轟いた。 なんだ……? なんの音? それに続いてざわざわと人の声や気配がしている。 また仲間が増えたのか? 頭を押させつけられてるせいで、音の方向に顔を向けることもできない。 気にはなるが、頭が朦朧としていてもうそれどころでは無かった。 次の瞬間、俺は両脇を掴まれていた腕からいきなり解放されたので、頭も自由になったが、自分の意思で身体を起こすことも立つこともできず、そのままズルリと床に崩れ落ちてコンクリートに思いきり頭を打ちつけた。 痛ってぇ……、眼の奥がチカチカする。 まあ、そのおかげでまだ意識を保つことができてるんだが……。 すげぇ疲れてて、もうこのまま眠りたい。 俺……死ぬのかな……。 目が自然と閉じてくる……、永遠でもいいや……今目を開けてもろくなこと無さそうな気がするし……でも、もう一度だけ静月の顔が見たかったな……。 静月……、最後に見たい顔がおまえだなんて泣けてくるぜ……。

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