212 / 213

212

「やっ……め……あぁぁぁぁぁ……っ……ひっ、だっ……め……あっ……あぁぁっ!」 そして凌駕の舌は、俺の口の中を抜き差しするものだから、溢れる唾液が口の端を伝って零れ落ちる。 今までのエッチっていったいなんだったんだろう、こんなにもエロくて身体の奥深くまで痺れるセックスってしたことない。 凌駕とのセックスは別格で、頭の芯までジンジンして何も考えられない。 どんな手でも俺の身体は簡単に落とされる。 しかも、今は手こきなのに……。 「あっ……ふっ……だめ……っ、さわる……なっ……ぁ……あぁぁぁっ……イクッーっ……!」 次の瞬間、俺のチンコから精液がピュッと飛んだ。 大きな熱い息を吐いた後、浮かれていた身体は飛び散った精液と共にベッドへと落ちついた。 その、俺の腹の上を指でツーっと撫でて、精液を指先にからめた凌駕は、俺の目を見ながらそれをゆっくり舐めた。 その動きがエロくてイケてて、俺の心をぎゅうっと掴んだ。 俺がこいつにメロメロになってることは、やってる本人が一番承知してるからちょっと嬉し腹立たしい。 「ばか……やめろ……よ……」 俺は凌駕を睨んだ。 「どうして?葵の物は何でも愛しいさ」 凌駕は微笑みながらぐったりと力が抜けた俺を優しく抱きしめて、軽くキスをしながらそう言った。 チュ……。 三度も一気にイッてしまい、疲れた俺はもう動けそうになかった。 「葵はあまり眠れてないからもう少し眠るといいよ、疲れたろう」 「うん……でも凌駕が一回しか……」 「何言ってんだ、今は葵が一番大事。疲れた葵と無理にセックスしようとは思わないよ」 「ごめん……」 「大丈夫、元気になったら嫌というほど付き合ってもらうから」 そしてニコリと微笑む目がキラリと輝いた。 ……だろうな。 きっと、朝も昼も夜さえも時間が分からなくなるほど部屋に籠ってセックスしまくって、脳内エロに埋め尽くされるほど、俺は朝から晩まで凌駕にイかされ続けるだろう。 だけど、それが嫌だとは思えないほど凌駕に惚れてしまっているし、ずっと一緒に居たいと思う。 そして凌駕の俺への執着を考えてみても、俺たちの身体の相性はバッチリなんだろうと思う。 多分、心も……? だったら最高じゃん! そんなことを考えていたら顔が熱くなった。 「エッチな葵は何考えてるの?顔が赤いよ」 「……、何も考えてねーし!」 ばれてらー。 「どっちにしろ少し眠るといいよ」 そして、いきなり起き上がり、ベッドから降りようとした凌駕の手を、思わず掴んでしまった。 「どこ……行くんだよ……」 「タオル取って来るだけだよ、拭かないと気持ち悪いでしょ。葵は疲れ果てているから取り合えず少し眠って、起きてからシャワーを浴びるといい」 そう言ってから、バスルームに消えた凌駕は直ぐに戻って来ると、ホットタオルで俺の身体を丁寧に拭いてくれるが、その手つきや視線が優しすぎて、ちょっと怪しくすぐったい。 「綺麗な肌だな……」 じっと見つめられて悪い気はしない。 「おまえのモノだよ……、すべて……」 俺がそう言うと、凌駕は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに満足したようにニコリと微笑んだ。 「知ってる。そして誰にも渡す気はない」 心臓がきゅんとなった。 ゆっくりと落ちて来た唇が、俺の唇を塞いだ。 ちゅ……、くちゅ……ちゅ……っ……。 これ以上続けると眠る息子を起こしてしまいそうなので、無理矢理顔を背けなくてはならなかった。 ちょっと残念……。 「やめろ、眠れなくなるじゃないか……」 「そうだね」 凌駕はクスリと笑って、身体を拭き終わると俺の側で横になり、後ろから抱きしめて来た。 「だかーらー、そんなことすると眠れないだろっ!」 「葵がどこにも行かないように、こうして眠る」 「俺はもう……クタクタで動けない、おまえこそ、俺の側にいろよ」 そう、凌駕はいつも俺が目覚めたらいなかった。 居てもかなり冷たかったりするから、夢から一気に覚める朝を何度も迎えた。 「もちろん、どこにも行かないし葵の側にいるよ」 「そか……良かった……」 俺はその言葉や、背中に感じる温もりに安心した。 そして、やはり疲れていたのか急激に睡魔に襲われて、凌駕の腕に抱かれながら眠りについた。

ともだちにシェアしよう!