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第45話
俺は長瀬ちゃんの言うようにそっち側の人間なのか?
だから静月とあんなことできたのだろうか?
いや、あれは強制だったぞ?
そうだ!そうだ!
でも……、静月に触られて、そんなに嫌じゃなかったっけ……。
それにそもそも本気で拒否しただろうか……。
いや、したぞ?
最初はな……。
まあ、すぐに落とされたけどな……。
静月との濃厚なキスが、脳裏をフラッシュバックした。
「ほら……、思い当たるんだろう?」
ハッ!
「ま……まさか!」
いけね、思い出しちまった。
静月とのキスを……。
「何顔を赤くして動揺してんだよ、なにかあったな葵」
そう言って長瀬はにやりと笑った。
「なにもねーし!」
「じゃ、俺と試してみる?手取り足取り伝授するよ、いや、もう知ってるか?」
長瀬は微笑みながら俺の両手を取ると、頭上に張り付けた。
半分本気で半分冗談なのは分かっていた。
長瀬はバイだ。
公言もしないが隠しもしてなく、こうやってベッドを占領するやからに、お仕置きのように牙を向ける。
まあ猫のように可愛い牙だけど……。
だから俺は長瀬とキスしたらこの前感じた静月の時のような、ドキドキして目眩がするような気分を再び味わえるのか、試してみたいと思う気持ちもチラホラ……。
俺は本当はこっち側の人間なのか?
決めかねていたら、それを無視した長瀬の唇が降りて来た……。
長瀬とのキスはどんなだろう……。
俺は思わず目を閉じる……。
と、その時、シャーーーと音を立てて勢いよくカーテンが開かれた。
え!
そこに居たのは……静月だった……。
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