どっちにしろもうおまえには関係ないじゃん、濃密な放課後の授業は終わったし、姉ちゃんに手出しそうになった罰も受けた……。 そうだよ……、実際手は出してないのに。 酷い罰だった……。 いや……そうだな……、結局は少しだけ……少しだけど、気持ち良かったりしたからちょっと違うかもだけど……、でも精神的ダメージは計り知れないぞ？ 俺は隣から冷めた目線を寄越してくる静月を見た。 と、その時、いきなり隣から伸びて来た手に首をホールドされてしまい、ぐいっと一気に静月の方へと引き寄せられ、そして次の瞬間、いきなりキスされた……。 静月のいつもつけている香水の匂いに包まれながら、この柔らかな唇の感触……、巧みな舌先……、いろいろ思い出して頬が熱くなる。 首に回された腕が解けて、俺の頬に添えられた手がまるで女の子を扱うように優しくて、もう片方の手で顔に掛かる髪の毛を払ってくれた時には、乙女のように俺の心がキュンついた。 骨抜きかよ俺……、情けなさすぎる。 しかも……、静月の上着を掴んだ手を離すことができない……。 なぜなら瞳の奥に欲望を秘めた目で俺を見るから……。 「挨拶でこんなことするの？」 「……」 しつこいな静月……、今そういうこと聞く？ 「もう誰ともしないと誓って」 「……な……んで……」 『お前に誓わないといけないんだよ！』って、言おうとしたら唇を塞がれた。 挿入された舌は俺の舌を探り当てて、ねっとりと絡ませてくる。 角度を変えて抜き差しする熱を持った舌は、口内を弄って欲を煽り、混ざり合った唾液がお互いの唇の上で怪しく光って俺の頭をクラクラさせた。 うん……、多分……静月じゃないと、こんな風に胸が騒めくことは無いだろうと、浮かれた頭でぼんやり考えていた……。