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俺が静月のキスにうっとりするように、静月もまた夢中で俺の舌に自分の舌を絡めてくる。 お互いの口内での抜き差しが酷くエロティックで、身体の芯まで蕩けさすのだ。 逃げないようにか、抱きしめられる腕の中で密着する身体が熱い。 こんな青空の下で大っぴらに繰り広げられる、解放された刺激的なキスに興奮を押さえられなくなるが、ただ、ここが学校でこれ以上欲を煽られると、処理しないといけなくなるわけで、俺の頭の中に警告ランプが点灯し始めた時、静月のスマホの着信音が静かな屋上に鳴り響いた。 ホッとすると同時に、拍子抜けする程あっさり静月が身を引いた。 どうやら静月は俺ほどに、切羽詰まって無かったらしい……。 そうじゃなかったら、キスの途中でスマホに出るとかしないはずだ。 くそぉ……。 俺、完全に遊ばれてるよな静月に……。 またもや自分の愚かさに悔しさが募る……。 静月はスマホをポケットから取り出して、フェンスに凭れるようにその場に座り込み、相手と何やら楽しそうに喋っていた。 早速、俺のことは無視かい! 相手は瑛斗か? 付き合ってるのならなぜ俺に手を出すんだよ……。 確かに静月は色々な噂があるけど、もしかして浮気公認の仲なのだろうか? こいつ等セレブの考えることはよく分からねぇ……。 俺の思惑など気づきもしない静月に何だか失望し、気が抜けた俺は同じように隣に座り込んだが、吹き抜ける風の気持ち良さにゴロンと横になった。 気が付くと、電話をしながら静月の指が俺の髪の毛を玩んでいた。 不満気に見上げた俺と目が合ったが、微笑んではいたものの、それは電話の相手に対しての笑みであることは明らかで、瑛斗とにこやかに会話しながら図々しく俺にちょっかい出すなんてと、腹が立った俺はその手の届かない位置に移動して静月に背を向けた。 馴れ馴れしく触んな! 俺はお前のものじゃねーし、気安く近寄るな! 俺は誰のものでも無いんだよ! これ以上こいつに関わったらろくなこと無いだろう……。 そんなことを思いながら、晴天の空を見てるうちに俺は何時しか眠り込んでしまった。

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