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何すんだこの野郎! 昨日もここで瑛斗とやったんじゃないのかよ! 俺がそうだったように瑛斗の精液が垂れ流されたこの広いベッドで、今日は俺が静月の手管でイキまくるのかと思うと腹が立つ! 色事に弱く静月の前で醜態を曝け出した自分も十分情けないとは思うが、こっちの気分を全く無視する横暴な行動にムカツク。 まあ静月が本気出したら、どんなに嫌がってる相手でも100%の確率で、落とせることは身を持って知った。 それは、例え男でも……。 ゲイは不特定多数と付き合ったりするって聞いたことあるけど、瑛斗もそんな感じなんだろうか? おまえら相手がいるのに、それはちと奔放過ぎやしないか? 「おま……瑛斗は……」 思わず疑問が声に出た……。 「瑛斗が何?」 静月は気にも留めて無いかのようにそう言いながら、後ろから俺に被さりながら乳首を撫で回し首筋を舐めた。 まるで猛獣に抑え込まれてる感じだろうか……。 これが雌化の敗北気分と、あってはいけない欲を煽られる感情の狭間で、テンションが微妙に揺らぐ。 でもまあ、俺の身体は本当に正直で、理性を消し飛ばすかのようにプルプル震えた……、くっ……そぉ……。 「瑛斗は焼きもち妬かないよ」 俺の心を見透かしたように言った。 「俺が楽しむのを喜んでくれてる」 はぁぁぁ? そうなのか? ゲイの世界はやっぱそうなのか? いったい何人このベッドに連れ込んだら気が済むんだよ! 俺は束縛が嫌だから特定を作らないけど、もし彼女ができたらそれは嫌だ。 彼女が別の男とベッドに入るとか考えただけでゾッとする……。 普通はそうだろ……? なのにこいつ等と来たら……。 俺はプレイ盛り上げ役かよ! 他の奴当たれや! 「マジで死にやがれ!」

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