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女子ならともかくお前は男だし、その男に掘られて喘ぐとか、正気に戻ると精神的にダメージでしかないわ! ……と、理性は申しておりますが……、実際のところ、限界です……もう無理ーっ、跪いて懇願しそう……。 「あーおーいー?」 静月がこれでもかと言わんばかりに首筋を舐めながら、耳朶を優しく食んだ。 く~~~っ、この湧き上がる欲望を解き放ってくれるのなら、今の狂った思考の俺では静月の足の指でも舐めることができそうだ。 「ねぇ、苦しいでしょ?おねだりしてごらん、俺が欲しいと」 こいつぜってーーっ、何時か殺す! 言葉の虐めに俺が悶えていたその時、珍しく静月のスマホが鳴った。 静月はヤッてる時はいつも切ってるからだ。 瑛斗からかな……。 この状態で放置とかやめてくれ! 頭がどうにかなって気が狂ってしまいそうだ。 そして静月がこんな状態の俺を無視して、衣擦れの音を立てながらサイドボードに置かれたスマホに手を伸ばそうとしていたその時、自分でも信じられないことに、その手を掴んでしまった。 アウチ……。 それは少しばかり静月を驚かせ、その目が見開かれる。 俺は懇願するかのように手錠で繋がれた両手で静月の手を握っていた。 その手が動いて俺の頬に充てられる。 どうしようもなく愚かな行為かも知れないが欲には勝てなかった。 手の温もりにさえ皮膚が泡立ち、静月を見つめる目が潤むのを感じた。 真顔で俺を見下ろす涼しい瞳にさえ、俺は欲情している自分に気が付いた。 とにかく考えることはひとつだけ、俺の中に静月のモノを挿れて中を熱くきつく満たして欲しかった。 そして恥も外分も無く、苦しいくらいかき混ぜて欲しい……。 言うまでもないが俺の瞳は雄弁にそれを語っていただろう、静月は額が触れそうな距離に俺を抱き寄せ、その掌が全身を撫で回し始めると、媚薬に犯されていた皮膚は更にゾワゾワと波打って芯を熱くさせた。 これはキメセクなんだ……、だから静月をこんなにも欲してるんだと自分に言い聞かせる。 着信音は俺の決心を促すかのように、広く静かな室内に忙しく鳴り響いている。 「言って……俺が欲しいと」 「ほ……しい……はやく……」 その言葉を受けて、静月の目が怪しく輝いたような気がした。 笑みを称えて俺を見ていた静月が、この日始めて深いキスをしてきた。 くちゅり……チュッ……っ。 舌を強引に絡めてきたが、もうそれだけじゃ物足りなくなっている俺は、唇の端から唾液が零れるのを感じながら不満を零した。 「しず……き……、は……やく……」 身体中が熱で溶けてしまいそうに燃えていて、俺は静月にしがみ付きながら懇願した。 「そうだね良く言えた。じゃあ、ご褒美をあげよう」 そう言って、静月は俺を仰向けに押し倒すと腰を高く持ち上げ、十分解され潤っている後蕾に猛ったモノをずぶっと挿入してきた。

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