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「どうした?」
「え?何が?」
「顔が赤い」
そう言って、静月が俺の顎に手を添えて、じっと観察するように見ていた。
そして何かを察したように、背後に視線を移した。
どうやら動揺が顔に出ていたらしい、静月は不審そうな顔をしている。
あれは無いよな……、保健室でとか……。
「なんかあった?」
「……いや、ない」
そう返答するも、視線を戻すと険しい顔して俺の顔を覗き込んだ。
やばいな、中で瑛斗と長瀬の行為を見たら静月は激怒するだろうか?
きっと今頃ヤッる最中だよな……うへぇ……。
仮にも瑛斗と静月は付き合ってる仲らしいし、どうなんだろこれ……修羅場か?
そんな面倒に巻き込まれるのは遠慮したい。
「葵?」
「だから、なんもねーってば!」
「嘘だね、葵は嘘をつくと目が泳ぐからわかる」
何体得してんだよ。
「無いって言ってんだろが!」
と、すっ呆けるが、まったく信用してないらしい静月は俺をそこに残して、保健室の方へとスタスタ歩き始めた。
おいおいおい、それはヤバいんじゃねーの?
慌てて止めようとした俺の指をするりと躱す。
あーー、マジやばくね?
「静月……、待てよ……」
何かを察した静月はもう止まらなかった。
足早にドアの前まで辿り着くと、さっきの俺と同じように勢いよく保健室のドアを開けた。
そこでは……。
あっちゃー……。
「あぁ……ん、あん……う……はっ……、い……い……きもち……いい、せん……せぃ……」
中の二人は、まさにピストンの真っ最中で、長瀬の腰が揺れる度に瑛斗から喘ぎ声が漏れていた。
「んあ……ん、ぁ……ぁん……」
「……」
呆然と立ち尽くす静月に気が付いただろう二人だったが、えっちの最中な為にこちらをチラリと見ただけで、行為は続行された。
「ひゃ……ん……そこ……かんじ……る……ぁぁ……ん……」
まあ……止められないだろうなぁ……。
全くもって俺らを無視して長瀬の腰つきが最速になると、瑛斗が身体を逸らせて長瀬の身体に足を絡める。
ナマAVかよ……。
こっちが恥ずいわ……。
「せん……せ……ぃ、いい……いいよぉ……きもち……いい」
他人のエッチシーンとか見たことない俺は、これはこれで興奮したが、ここで俺はハタと気が付く。
恋人が他の男に抱かれてるのを見てる静月の気持ちってどうなんだろう……?
俺は静月の顔を盗み見しようとしたが、いきなり腕を取られてもの凄いスピードで外へ連れ出された。
俺に見せたく無かったのか?
自分の恋人と他人の情事を……。
だよなぁ……。
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