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その後母親との会話が静月が十時前に帰って行ったあと、俺はシャワーを浴び軽く食事を摂った。
でも寝ても覚めても食っても何しても、頭の中が静月のことでいっぱいになりつつあったが、癪だから認めたく無かった。
俺はこの先どうなるのだろう……、一抹の不安はあったが考えても答えは出そうになかった。
本来、楽天的な俺は、まあ、なるようになるだろう……、そう思うと気が楽になりベッドへダイブした。
すると、コンコンッ、ドアをノックする音がした。
「葵?」
母親が戸口にふらりと現れた。
「静月君ていい子じゃない、ああいう子が一緒にいてくれると安心できるわ」
チッ、何も知らないくせに……。
「あいつ腹黒だから騙されるなよ」
「腹黒はある意味野心よ、男の子はそのくらいでなくちゃこの汚い世の中生きていけないわよ」
そんなこと簡単に言っちゃうわけ?
「静月家のお孫さんが優秀だってことは嫌でも耳に入るわ、きっと跡を継がれるんでしょうね。お爺様も立派な方だから家系なのよね。安心したわ」
ふん……、家柄がどうだとか俺には関係ない話だ、それより静月の中身がぶっ壊れてることの方が問題だとは思うが?
みんながあの見てくれに惑わされるのが腹立たしい。
「とにかく、あまりご迷惑かけないようにね」
「うん……」
そう言い残して、部屋を閉めて出て行った。
「何がだよ……」
俺はあんな腹黒い静月を、母親が褒めたことが気に入らなかった。
裏ではやりたい放題なのに、家柄が良いだけで認められるのか?
でもまあ実際静月は学校でも人気者で、あいつの回りには何時もたくさんの人がいる。
あんなにゲスいのに……、俺は納得がいかないまま何時しか眠りについていた……。
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