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「凌駕エッチうまいよね、君がメロメロになっても不思議じゃないよ」 「メロメロとか……、な、何言ってんだよ!」 指摘されると羞恥で我に返る俺……。 「隠さなくてもいいよ」 高梨瑛斗はにこりと微笑んだ。 何だか俺の胸が騒ぐ……、しかし俺がじゃなくてあいつがだろ? だいたい、あいつが俺を放さないんだし……。 「それより、お……おまえと静月はいったいどういう関係なんだ?」 「関係って……、僕らは単なる幼馴染だよ安心して、ご存知のように僕他に好きな人いるし、まあ凌駕だって……」 そこで思い出したように高梨瑛斗は口に手を当て言葉を止めた。 なんか仕草が女子ぽくはないんだけど、子憎たらしい感じでなぜか可愛い。 全くもう、肝心なところでワザとらしく黙りやがってくそ腹立つわ。 色々聞くのも静月に興味ありそうに思われても嫌だし……、とか考えていたら向こうが再び喋り出した。 「凌駕さぁ、中三の時付き合ってた子にかなり本気出しちゃっててさ、最初受験して一緒にここに来るって話だったらしいけど、その子急にここ来るの止めてさ、それがかなりショックだったらしいよ、それから自棄になって男女構わず遊び惚けてたからね。まあ、今も?だけど」 そう言って、様子を伺うようにチラリと俺の顔を見た。 ふーん……、だから遊んでるのか? 自棄になって? 遊んでるのは……、まあ、お互い様だけど……。 「多分、今もその子の事が好きな筈だよ、一方的にフラれたようなものだから、そいつが又凌駕の前に現れたら復活する可能性大だしね。凌駕には本気にならない方がいいと思うよ、まあ君は本来ノンケだし遊び人だからどうってことないかもだけど、凌駕は一見遊び人風なんだけど、実際、恋愛に関しては真面目だしね、きっとその子の事を思い続けていると思うよ」 凌駕の通ってた学校は中高一貫の男子校だったはず、と言うことは相手は男なのか……。 意外と一途な凌駕の心の奥を覗いた気がしたと同時に、何だか胸がチクリとした。 「俺らはお互いどうせ遊びだから……」 うん、そうさ。 「それでいいと思うよ、ああ見えて静月は一途だから心の闇は深いしね」 ふーん……、あの静月がねぇ……。 「飽きるまでさ……」 「うん……、君は元々ノンケだし、ノンケの子は結局女子に戻るからね」 そうだよ……、俺は生粋の女好きだもん、いつか女子の柔らかい身体が恋しくなるはず……、あれ? でも忘れてたくらい、今は全然恋しく無いんだけど……どうしてだろう……。 でも……、静月の本気な子ってどんな奴だろう? 結局、高梨瑛斗は忠告をしに来たのだろうか? こいつはもっと粘着質ぽい奴かと思ったが、意外とあっけらかんとしてて話しやすい、そして静月と仲が良いのは分かったが、何でも筒抜けなのは困る、余計なことは言うなと今度キツく忠告しておこう。 でも、あの静月を本気にさせた奴って誰なんだろう……。 静月でも振られる事とかあるんだな……。 俺は酷く興味をそそられた。

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