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告白の勢いとは裏腹に、触れた唇は羽のように優しく、俺の唇の上で踊った……。
それはどこか遠慮がちで、その性格同様穏やかで包み込むように俺の唇を柔らかく食んだ。
今まで将生の恋愛話は何度か聞いたが、相手は他校の生徒だったり、すぐに別れたりしていたので、あまり詳しくは分からなかったが、もっとこう……ガチガチでくるのかと思ったら、慣れてる感がしなくもない……。
でも、付き合ってる相手を紹介してくれと何度も頼んだが、一度も会わてくれなかった理由は、もしかしたら相手は男だったのかなと、ふと思う……。
それは将生の闇だったわけか……、今やそれは俺の闇になりつつあるが……でもこれ、闇なのか……?
まあマイノリティには違いないだろうけど……。
「好きだ……葵……」
「将生……」
唇が離れた時、将生は潤んだ瞳で俺を見下ろしながらそう言った。
まずいよな……このままじゃ……、熱い視線で俺をがっつり捕えている。
なので、このまま流されるのが怖かったので、思わず将生の胸に手を当て押しやろうとした。
「何時か葵があいつを忘れることができるまで、俺が代わりになる……」
静月の代わり……?
ごめん将生……無理だよそれ……、俺の身体も心もこんなに掴まれてしまった、あいつの代わりなど誰にもできない。
俺がぼんやりそんなことを考えていたら、その無言を同意に捉えたらしい将生の唇が再び降りてきた。
違うし将生!
ちゅ……。
唇を這うように将生の舌が撫でる。
その優しく触れる舌がゆっくりと俺の唇を開いて、口内を弄り熱を煽る。
キスが深くなるにつれ将生の身体が俺に圧し掛かってくる、静月のキス程俺を腰砕けにはしないが、触れ合う身体の暖かな重みは嫌いじゃない、寧ろまるで守られてるように心地良く感じる。
そして将生の手が、借りたTシャツの中に忍び込んできて、俺の乳首の辺りを撫で回し始めると、思わず俺の口から吐息が漏れた。
「あ……っ」
恥ずかしくて思わず将生を見たら、複雑そうな顔で見返していた。
そうだよなぁ……、俺の身体は静月によって全身が快楽に敏感になるよう弄られた……と言うか、元々かなり感じやすかったのかもしれないが、より敏感になって、熱い手で触られるだけでぞわぞわと皮膚が泡立つ……。
「俺が……俺が忘れさせる……」
「ま……さき……?」
将生はそう言って、俺の着ていたTシャツをたくし上げて、乳首を口に含んで舌先で転がした。
「うぁ……や……め、将生!」
勿論、恥ずかしさの余り将生の頭を掴んでどかそうとするも、ピクリともせず、無心に俺の淡い色した乳首を舐め回している。
相手がどうのこうのと言うより、こんなことされてまず身体が反応しそうになる。
ああ……だめだ、煽られる……。
「葵は俺の全てだ……」
顔を上げた将生の、やたら真剣な瞳を見てると、こんな俺をここまで好きでいてくれてありがとうと思いたくなる。
将生が誰にでも思いやりがあって、みんなに好かれる可愛い性格だということを知っている俺は、この好意は本物であることを確信しているし、きっと大切にしてくれるということも分かっている。
なので、言葉は雄弁で俺を優しく包み込む。
将生のキスが胸を彷徨い、首筋を何度も舐めている隙に、俺はあっと言う間に服を剥ぎ取られて、いつの間にかまっ裸になっていた。
「綺麗だ葵……」
そう言いながら、将生も自分の着ている服を脱いだ。
スポーツ選手らしく、やはり綺麗に腹筋が割れている。
将生とは一緒に風呂に入ったこともあるし、お互いの裸を見るのは初めての事じゃないが、セックスをする為に裸になったと思うと、何故だか急に恥ずかしくなる。
いや……やるのか?
でも静月のことは忘れたい……、将生が言うように忘れさせてくれるのだろうか……。
将生の舌が俺の身体中を舐め尽くし、そして徐々に下半身へと下りてゆくと、俺の息子ちゃんを口に含んで舐め回した。
「あ……うん……」
思わず声が出た。
恥ずかしさの余り、股間から将生の頭をどけようとするが、反対に手首をつかまれ身動きできなくなってしまった。
意外にも将生は慣れているのか、ピンポイントで俺の熱を引き出してゆく。
チュパ、チュルっといやらし気な音を立てながら俺の息子ちゃんを、時間を掛けて舐め回す。
親友の将生に舐められていると思うと顔から火が出る。
でもこんなに気持ちいいこと誰が拒めるんだよ……。
少なくとも今の俺は無理だ……よな……。
「ま……さき……」
「だめ……で……出る……」
「いいよ出して」
じゅる……ちゅ……、再び将生が俺の息子ちゃんを口の中で抜き差しする。
やめてくれ……ああ、でも気持ちいい……でも……やめて……。
そうです、もうね、して欲しいのか、止めて欲しいのか思考はぐちゃぐちゃで……。
その時、裏筋を舌舐められて身体が仰け反った。
ハァ、ハァ、ハァ……やめ……て……。
「出る……、……で……るーっ!」
「いいから、出して」
将生どけよ……、口に出る……。
だけどもう余裕ない。
「あぁぁ……う……あぁ……ん」
俺は……、俺のフル勃起した息子ちゃんを口に含んだまま、ピストンを続ける親友の頭を撫でながら、その口の中に白濁を放出した……。
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