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「なっ……!やめろよ、てめぇ!」 しかし、静月は俺の声など聞こえないかのように、ガチ無視してガチャリとベルトを外す。 抵抗しても静月の力には敵わず、揉み合いながらもあっさりズボンと下着を降ろされると、あっと言う間に俺の後蕾に指を挿入させてきた。 うはっ……! こいつこういうの慣れてるよな……無理矢理系好きだし、とか変に感心しながらも身の危険をひしと感じる俺だったが、静月の指が止まったのに気が付いた。 「…………」 そして顔が怒りに引き攣っているのが見て取れた。 その顔はヤバイよね……、かって見たことの無いような眉間を寄せた険しい顔つきに、俺は少しばかり怯んでしまった。 いや……、頑張れ俺、何時までも静月の言いなりじゃ情けないだろうが。 「おまえ……、ヤッたのか……彼奴と……」 昨日、将生が丁寧に解したからなのか、俺の身体の変化に静月は誤解しているようだった。 俺はそれに答えなかった、好きに想像して怒ればいい。 「ビッチめ!」 珍しく、静月が声を荒げた。 静月の怒りと反比例して俺の意地悪指数が上昇する、うん……いい気味だ。 そろそろ世界が自分中心に回ってないと悟ってもいいだろ? 何時も余裕ぶっこいている静月が、激怒に形相を変えるのを見るのが悪くないと思ってる……いや、その顔を見たかった……多分、そんな俺はきっと正真正銘なドMに違いない。 だって、これから何されるか過去の事例を思い浮かべると、考えただけで恐ろしいのに、相変わらず抜けてる俺はこの時そんなことちっとも考えていなくて、ただ静月の激高ぶりを見て心を躍らすバカだった……。 そして、捻くれてる俺はそんな静月の様子を心の中で嘲笑っていたし……。 全てがお前の言う通りにはならないんだよ、……まあこれは誤解だけども。 将生とヤッたと思って逆上してる静月を見て、俺はたまらなく優越感を覚えていた。 笑みさえ零しそうになるのを口元ニヒニヒしながら耐えている。 「お前に言われたくねーわ!どけよ!」 静月の不意を突いて起き上がったら、一瞬で気を取り直したらしく、反対にうつ伏せにされて机の上に押し倒された。 うぐっ……背中が痛い……。 おまけに後頭部を捕まれて、額をグリグリ机に押し付けられているので、デコも痛い……。 「またお仕置きされたいんだ?」 静月は怒りに任せて俺の背中を動けないように後ろから圧をかけて、どこに持っていたのか液体を取り出し、俺の後蕾にドロリと垂らした。 まじか! そして後ろから俺の上に被さってきた。 さっきまでの余裕もどこへやら、急に焦り始める俺……。 こんなとこでヤラれたくねーし! 「何すんだよ!」 「ほんとビッチ、ヤレれば誰でもいいんだろ?ちゃんと解れてるしな」 後ろから俺の耳元で恐ろしく低い声でそう言われ、身体がゾクゾクした。 これマジで怒ってるよな……、恐怖に少しばかり煽りすぎたことを後悔する。 誰でもじゃないけど、昨日は確かに将生に挿れて貰いたかった。 そしてこの身体に沁み込んだおまえの形跡を消したかったんだ……。 でも今はその忘れたくても忘れられなかった張本人に、ビッチ呼ばわりされてこの扱いだ……、そして静月の手に腰を押さえつけられると、これからヤられるのかと思う恐怖に襲われ始めた。 この男はやると言ったら絶対やる男だ、ましてこんなに怒らせてしまったら止める筈がない……よな。 「暴れたら痛いよ?いや、暴れなくても痛いだろうけど、約束を破った罰だ」 「……おまっ、やめろや!」 だが激怒していて容赦ない今の静月は、俺がいくらもがき暴れても力を込めて押さえつけている、俺はこんなに非力だったかと改めて情けなくなる。 ……とか、考えてる場合じゃ無く、静月はあっという間に俺の中へと身体を埋めて来た。 うぐっ……、クソッ……。 それは俺の中をみしりと貫き圧迫し、流石に息ができないくらいの痛みで身体が硬直した。 ……つ……っ。 「……痛……い!」 「そのうち良くなるよ、ビッチな葵は最初からそうだっただろ?」 ……う、それを言われると……、男とは始めてだったのに、我を忘れて静月とのエッチに夢中になってしまった……、ビッチだよなと自分でも自覚した出来事だった。 あの時も乱暴な挿入ではあったが、俺はいつの間にかあり得ないほど声をあげて、沸き起こる快楽を貪った。 どうしようもなかったんだ……気持ちが良すぎて拒めなかったのは事実で、悔しいけどそれほど静月はエッチが上手かった。 色々な意味でライバル視してたけど、エッチに関しても自分が経験してみると、静月は伊達に沢山の女の子と遊んでるんじゃ無いと、いや男もか……、まあこればかりは認めざる得なかった。 今も後ろから片手で俺の腰を掴み、前に回されたもう片方の手で俺の息子ちゃんを弄られると、あっと言う間にいきり立つという史上最悪の情けなさ……。 静月の笑い声が後ろから聞こえて頬が熱くなる。 顔見られなくてバックで良かった……とか、思ってる場合じゃないし! 俺がどんな風に感じて、どんな風に喘ぐのか、静月は完全に知り尽くしていた。 そして最大の問題は、……どんな状況でも俺の身体だけは素直だ……ということで。 クソッ……。 「ねぇ、葵の所有者が誰だか思い知らせてやるよ」 静月は俺の耳元で、冷たく低い声でそう言った。

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