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第10話
GWに家に戻った俺は2日程は大人しく家に居た。
その間、親父は特に何も言わずに居たが、母さんが心配してるのと久し振りに顔を見て嬉しかったんだろう色々煩く聞いて来て段々とウザく感じた。
「学校はどう?」「友達は出来た?」「クラスの人と仲良くしてる?」「寮で不自由は無い?」「勉強は?」だとか、その度に適当に「ああ」「まあな」「大丈夫」と返事してたが、俺の返事が気に入らないらしく執拗に聞いてくる。
家に居ると心配してくれるのは有難いが、うぜぇ~な。
何より戸籍上は親の養子となり、俺とは歳の離れた兄弟として家に居る ‘尊’ を見るのが嫌だった。
まだ2歳で自分の環境状況が解らない尊は純粋無垢に素直に、俺に遊んで欲しそうに回りをうろうろしてるが俺からは声は掛けない。
尊本人には罪は無いし俺が全て悪いのも解ってるが、どう接して良いのか?困ってるのが本音だった。
そんな尊を見てると、極道の親父が相手の親に「申し訳なかった」と、頭を下げた姿を思い浮かべる。
極道の親分としてじゃなく一親として頭を下げたのは解るが、そんな姿を見たくなかったしそんな事を親父にさせた自分が情けなくなった時を思い出す。
自分が撒いた種だとは解ってる。
相手を好きだった訳でもない、何も考えずに遊びの延長だった。
1度の失敗で、たった1度だが……俺は物凄く後悔した。
それからは女とヤル時には、絶対に避妊はするようにした。
もう、あんな親父の姿を見たくない‼︎
自分で責任も取れないとなると、結局は親父達に迷惑掛ける。
それでも親父達は俺を見捨てたりはしなかった事に、心の中で感謝もしてる。
別に、家は居心地が悪くはないが自分が情けなく感じるのは、親への引目だろうか?
そんな事もあり3日目には、若い舎弟と一緒に繁華街に飲みに行ったり遊び歩くようになった。
飲みに行き、若い舎弟がナンバしそのままホテルに行き朝までセックスし後腐れなく1夜の相手をしたり、親父に内緒で俺が戻った事を知るとキャバ嬢やホステスから連絡が来て店が終わってから飲みに行き、そのまま泊まりいつも昼過ぎに戻りまた夜に出て行く日が続くが親も黙ってた。
何ヶ月振りの女の体。
柔らかい胸と甲高い喘ぎ声。
男とは違う、柔らかく締め付ける膣。
ご無沙汰だった女とのセックスにまた暫くは出来なくなると、一夜の相手や店の子のセックスを存分に楽しみ貪った。
やはり男とは、また違う良さがある。
警察の世話と素人に迷惑掛けない限りは、自由にさせて貰ってた。
そんな堕落的な日々を過ごし、明後日には学校に戻る日が近づくと芳村の声が無性に聞きたくなった。
自分の部屋のベットでゴロゴロしながらスマホを見つめ、俺は電話しようか迷って居た。
「特に話す事ねぇ~んだよなぁ~」
それでも声がやはり聞きたいと意を決して電話を掛けた。
カチカチカチ…
「この時間なら、学校から帰って来てるだろう」
♪♪♪♪~♪♪♪♪~
「はい」
芳村が出たのが嬉しいのと緊張とで、ベットにゴロゴロしてた体を起こしベットの縁に座った。
「おう! 芳村?」
「そうだけど?解って電話してきたんじゃないのか?」
「まあ、そうだけど。何してんの?」
「プライベートな事にはお答えしません。で、お前の用件は?やはり進路の件か?」
やべぇ~進路なんて親と相談もしてねぇ~。
どうせ俺の進路は決まってるし相談するまでもねぇ~。
どうすっかな~。
俺が言い悩んでると芳村の方から話し出した。
「揉めてるのか?取り敢えず、まだ1回目の調査だしゆっくり話し合えば良い。今回は、お前がどうしたいのか?気持ちを話すだけでも良いんだからな」
言い淀んでる俺を進路で親と揉めてると誤解して心配してくれてる。
担任としては当然なんだろうが、俺は親身になってくれる芳村が嬉しかった。
俺の事を怖がらず理解してくれようとしてる。
当たり障りない態度で接してくる奴や触らぬ神に祟り無しって感じで無視する今までの先公とは違う。
やはり芳村は良い‼︎
「一応、5月中旬から末には3者面談がある。その時に、もう1度お前の考えを良く話せばよい。私も親御さんには話してみるから」
俺の進路がどうするのか?も知らずに、俺を応援すると話す。
「解った…芳…」
「優希さん、電話?」
電話口から女の声が微かに聞こえた。
彼女と一緒?……か。
「ごめん。もう終わるから」
芳村が彼女に言ってる声も聞こえた。
「彼女か?」
「まあな。進路の件は、また学校で。元気にしてるのか?あまり羽目を外すなよ」
「ああ」
「じゃあ、また学校で」
スマホを切り、暫く画面を見つめてた。
そうか、彼女と一緒か。
そりゃそうだよな、GW中に全然会わない訳ねぇ~よな。
休日でも芳村と自由に会える彼女が羨ましかった。
「こっちは用件がなきゃ電話も掛けれねぇ~つーのに」
その電話掛けるのにも悩む程だ。
たぶん芳村の部屋に居るんだろうな。
この時間からだと……泊まりか⁉︎
芳村が女を抱くのか?
1度もなかったと言ったら嘘になるが、肉体的な事よりも今まで精神面で芳村を欲してたが……芳村が女を抱くのか?と考えたら……性的対象として初めて認識した。
確かに、キスしたいとか抱きしめたいぐらいは考えた事もあったが、それより会いたい.話しがしたい.芳村の事をもっと知りたいと思う方が多かった。
彼女の存在をはっきりと解ると……。
どんな風に抱くのか?
声を出すのか?
快感に喘ぐ時は?
逝った時は?
どんな顔で?
彼女を抱いてる芳村を想像してたが、次第に俺に抱かれてる芳村に変わっていた。
そんな想像してるうちに、俺のモノがムクムク…反応してきた。
性欲処理で、あんだけセックスしても芳村との事を考えるだけで体は正直だ。
部屋着にしてるスエットの前がパンパンに膨らみ形が解る程だ。
どうすっかな~。
女の所に行くまでは……キツい…か。
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