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第16話
「なあ、今のって。確か~3組の木下?だろ」
「まあな」
「木下って、確か…1組の山本と付き合ってなかった?何で、お前の所に来るんだ?」
聞くなよ!
解るだろーが。
しつこく聞く伊織に仕方なく経緯を話す。
「木下とは去年の冬位かな。あいつも寮生で1回誘われて、それからだ。彼氏と喧嘩した時とか、月1回位定期的に来る。ま、木下以外にも誘って来る奴は何人か寮の中にも居るけどな。お前らと違って、俺のデカいのが忘れられないんだろ?」
くっくっくっ……
祐一はバカバカしい~と無言になり、伊織はムキになり言い返してきた。
「最後のは聞き捨てならねぇ~な。俺の方がデカいっつーの! な、祐一!」
「俺に振るなよ。少しだけ龍臣の方がデカいかもな」
「何だと~! このヤロー‼︎ お前、目が悪いのか?1度眼科行け! 平常時は負けたとしても、勃つと俺の方がデカい‼︎ 膨張率では俺だな!」
「何、言ってだよ‼︎ 平常時がデカけりゃ~必然的に膨張しても、俺の方がデカいに決まってんだろーが!」
勝手にしろ!と祐一はビールを飲み、伊織は悔しそうにするがめげずに歯向かう。
「じゃあ、持久力は俺だな」
「俺のスタミナは無限だし~、持久力も俺!」
「じゃあ、テクだな。男相手がここ1~2年のお前には到底俺には敵わない。テクは俺だ!」
「はん! セックスに男も女もねぇ~けどな。女で磨いたテクは男でも通用するし~、それに挿れてしまえば同じだしな。そこからの持久力もテクも俺が上!」
「はん! 持久力もテクも俺が上だっつーの‼︎ 現にさっきまで ‘あんあん…’ 言わせてきたつっーの‼︎」
俺が伊織を揶揄ってるのが解ってる祐一は「バカが! 龍臣に揶揄われて乗せられてんじゃね~ぞ」と伊織に向かって話すと、伊織もハッと気がついたようだ。
俺は伊織の発言でニヤニヤして話す。
「へえ~、ここに来る前に、誰とヤッてきたんだ?」
「……ノーコメント。このヤロー!」
行動力もあり頭もキレるし冷静な伊織だが、俺や祐一の前ではバカな事を話したりムキになったりと、他の奴に見せない素の姿を俺達だけには見せる。
そう言う所が、俺は信頼されてると感じる。
祐一もそうだ。
寡黙で少し変わってるが、俺達の前ではバカな話しもするし熱くなる俺と伊織の事を宥める役を買ってでる
こいつが居るから、俺と伊織は喧嘩もしないで上手く付き合ってられるんだと思う。
そう言う2人だから、俺も素の自分を出せる。
心の中では感謝しつつ顔では伊織を揶揄って笑う。
「お~い。バカな話しは、そこで終わりにしろよ。本題に戻ろうぜ」
「そうだな。で、林の事は何か解ったか?」
ブチブチ…文句言ってビールを飲んでる伊織を放っておき、俺と祐一で話を進める。
「ああ、面白い話しを聞いた」
「何、何?」
面白い話しと聞いて、伊織も興味深々で復活した。
「一部の生徒の中では、ちょっとだけ噂になったらしい。どうも林の奴、2年の小池と言う奴とデキテルんじゃないかってな。林はサッカー部の顧問だろ?その小池って、半年だけサッカー部のマネージャーやってたらしく。結構、可愛いがってたらしい。で、誰も居ない部室でキスしてる所を見た奴が居るって話だ。でも、2年になって直ぐに、マネージャーを辞めたらしい。噂が原因なのか?林と何かあったのか?は、解らないけどな」
「マジ~」
「でも、キスだけじゃ~な。気の迷いって事もあるし」
「そうでもないようだぜ。体育倉庫室で密会してるらしい。たまたま体育倉庫にヤリに行った奴が、先にそこに居た2人を見た奴が居たんだってよ」
「決定だな」
「すっげぇ~な。生徒と教師の禁断の愛か?」
「それなら聞こえは良いが、小池の方が別れたがってるらしい」
「林って既婚者だし、子供もできて奥さん妊娠中らしいぜ」
「もしかして小池とのセックスで男に目覚めた?とか」
「伊織の言う事は強ち嘘じゃないかもな。男を知ると女より良いって言う奴は結構居るしな」
祐一の話す事に俺も納得してた。
俺自身も女しか知らなかったが、ここに来て男を知ってからは妊娠もしないし、孔のキツさでは男の方が良かったりするのを実体験してたからだ。
ただ、俺は女のデカく柔らかい胸も好きだが、挿れてしまえばどっちでも良い。
「それはあるかもな。そう言えば芳村も ‘前はそうでもなかったけど、飲むとスキンシップが激しくなる‘ って言ってた。男を知って生徒との危険な関係を止めて、芳村を落とそうと思ってるのかも知れないな」
「それはあるかもな。教師と教師なら、別に大人同士だから本人が良ければ、周りにとやかく言われる筋あいもないし比較的に誘い易いしな。小池が別れたがってるのに、林が別れないのは芳村を落とすまでの繋ぎか?」
「かもな」
「じゃあ、どうする?芳村、危ねぇ~じゃん」
「林の弱味を握ろうぜ」
俺が提案すると、祐一も伊織も賛同した。
「林と小池がそうなった経緯が解れば……」
「じゃあ、本人に聞こうぜ。小池を呼んで聞けば確実じゃん」
「……そうだな」
「噂だと真相が解らねぇ~しな。それが手取り速い。ついでに小池が別れたいなら別れさせれば1隻2丁じゃねぇ~」
「ん……確かに」
ここではこれ以上は考えても先に進まないとなり、小池を呼んで話しを聞いてから計画を練ると言う事で終わった。
それからは次の日が休みと言う事もあり、朝方まで飲みバカ話しをして過ごした。
どうせこいつら昼過ぎまで寝て、どっかで1発ヤッてから帰るんだろうしな。
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