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第19話
小池から連絡きたのは、6月に入ってからだった。
♪*今日の放課後に、体育倉庫に呼ばれました♪*とLINEがあった。
昼休みに伊織と祐一に連絡し作戦会議した。
俺の机でこそこそ話す俺達の事など、ガヤガヤ…してる教室では誰も気にしてない。
「良し! この作戦でいくか?」
「完璧だな!」
「何だかワクワクしねぇ~?」
「まあな」
俺達は顔を見合わせ、悪巧みが成功するのを確信しニヤっと笑った。
午後の授業は身が入らず、何度も頭の中でシュミレーションして過ごした。
芳村の事が元だが、3人での悪巧みが楽しくもあった
放課後になり教室から人が居なくなっても、俺達3人は時間がくるまで待機してた。
サッカー部の顧問でもある林は部活が終わるまでは来ないからだ。
小池にも既に作戦は連絡してあり、今頃どこかで時間を潰してるんだろう。
辺りが薄暗くなり、そろそろ時間だ。
もう1度最終確認して、俺達は体育倉庫に向かった。
体育倉庫は体育館の近くにポツンとある。
主に体育祭などで使われる物や体育の授業で余り使われない物が置いてある、要は物置だ。
鍵は殆ど掛かってる事はないが、一応確認した。
「大丈夫だ。中に入るぞ」
ギィ…ガタッ…
「結構、暗いなぁ~」
「そうだな。でも、電気点ける訳にもいかないからな」
小窓からの明かりで、何とか歩けるが物にぶつかり歩き難い。
♪*ピロ~ン
スマホを確認すると、小池からLINEが入った。
「小池からだ。もう直ぐここに来るって」
「じゃあ、あそこに隠れるか?」
「だな」
俺達は全体が見渡せる場所の物陰に隠れた。
暫くするとギィ…とドアが開き、小柄な体が現れた。
「先輩?先輩達、居ます?」
俺達は小池の呼び掛けに物陰から顔を出した。
「ここだ」
「そこに居たんですね。林は来る前にLINEくれるから大丈夫ですよ。で、先輩達の言う通りにしてたら大丈夫なんですよね?」
「ああ、作戦通りに頼む! ちゃんと写メや動画も消すようにするし、別れさせてやるから」
「お願いします! あれから先輩達に言われてから考えて、あと1年以上も林の言いなりになるのは耐えられないと思い直しました。やっぱ、恋人欲しいですし、ラブラブな学生生活したいですからね」
「そうか。作戦が上手くいくかどうかは、お前次第だからな。頑張れ!」
「はい。あっ、林からLINEきました。もう直ぐ来ます」
「解った」
この間はセックスフレンドだと思えば良いと投げやりな事を話してたが、思い直してくれて良かった。
小池がやる気を出してくれないと、作戦も上手くいかないと思ってただけに、取り敢えず安心し所定の位置に着き俺達は林を待った。
暫くすると、ギィ…とドアが開いて林が入って来たようだ。
ドアを閉め内鍵をし電気を点け小窓のカーテンを閉めた、その動作は何度もここを使ってると解る程手際が良い。
電気は古いのか?あまり明るさはないが、それでもさっきまでの暗さに比べるとだいぶ違う。
「誠、待ったか?」
誠?小池の名前か。
体育教師でもある林はいつもジャージ姿だ。
今も部活終わりでジャージで現れた。
若い先生が少ない中で、男らしく話せる教師って事で割と人気はある。
俺達は息を潜め目だけで ‘来たな’ と合図した。
「林先生、もう何度も言ってるけど。本当に、こんな事嫌なんです。もう終わりにして下さい」
小池の演技が始まった。
「何度も言ってるだろ?奥さんが妊娠しても1番好きなのは誠だって。拗ねて別れるとか言ってるんだろ?もういい加減に機嫌直せよ」
そう言って小池に近寄り腕を取る林に対して、小池はその手を振り払う。
「嫌なんです。もうこんな不倫みたいに人目を避けて会うのも疲れました‼︎」
「何言ってるだ?先に告白してきて誘惑したのは誠だろ?今更、何言ってるだ!」
「あの時は先生の事好きだったから…僕も夢中でしたでも、もうこんな関係嫌なんです。お願いです。別れて下さい」
「別れて下さい.別れて下さいって言っても、結局は俺に抱かれる癖に。誠の体は俺無しでは、もうダメだろう?」
そう言って林は小池の体を抱きしめたが、小池も抗い「嫌なんです! 止めて下さい! もうシタくない!」叫ぶと、口を手で塞ぎ「大きな声出すんじゃない! 良いのか?誠の淫れた写真やセックスの時の動画をネットで流してやろうか?嫌なら、大人しく抱かれろ! なんやかんや言っても、俺とのセックス好きだもんな?最後には ‘もっと.もっと~' って言う癖に‼︎」
それでも小池は体と手を振り回し抵抗する。
「今日はやけに抵抗するな。どうせヤレば抵抗もなくなる。このままぶち込んでやろうか?ああ?痛くされたく無かったら抵抗は止めるんだな」
修羅場を前に伊織が ‘そろそろ出るか?’ と、ジャスチャーするが首を振り、もう少し様子を見る事にした。
小池には悪いが、もう少し決定的なものが欲しかった
林の言い逃れできない位の証拠が欲しい‼︎
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