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第20話

抗う小池を押さえつけ、林は無理矢理に唇を合わせようとするが、小池は顔を振って拒む。 バシッ! 「痛っ!」 言う事を聞かない小池の頬を平手打ちした。 その光景を見てた伊織は体が動き出て行こうとするのを腕を掴み止めた。 ‘なぜ、止める?’ と俺を見て訴えるが、俺は首を振り ‘待て' と指示した。 祐一は黙ってなりゆきを見守っていた。 伊織の気持ちも解るが、まだ早いと判断した。 「聞き分けがないからだ‼︎」 「打つなんて最低! それに先生は1年の大人しい子何人かにセクハラ紛いの事してるの知ってるんだからね。あと、芳村先生にも口説こうと粉掛けてんじゃん。僕が知らないと思ってた?」 打たれた頬を手で押さえてる上から、林は笑って摩りながら話す。 「何だ~、そう言う事か。妬きもち焼いて駄々捏ねてるのか。そうなんだろ?」 「僕の事好きだとか.1番とか言っておきながら、奥さんは妊娠するし1年生や芳村先生にも粉掛けて。信じられない‼︎ 僕は妬きもち何かじゃなく呆れてるの‼︎」 「誠から誘惑した癖に良く言うよ。嫁の妊娠は、夫婦なんだから仕方ないだろ?誠が最近冷たいからな。ちょっと大人しい1年生に優しくしてやると憧れの目で見てさ、ちょっとしたゲームだよ。芳村先生は優しい見た目に反してガードが固くってな。誠が相手してくれなければ、生徒に手を出すより教師の方が色々と都合も良いかと思ったんだが、誘ってもやんわり断られる。落ちそうで落ちない感じやあの優し気で涼しい顔が淫れて穢れる姿も見てみたいと、ちょっと妄想しただけだ。誠が相手してくれれば、他には手を出さないって。誠も結局、コレが欲しいんだろ?嫌だ.嫌だ!って言いながら好きだもんな」 ニヤっと笑いゲスな事を話してる最低な奴だ‼︎ それから林はジャージとパンツを太腿まで下ろし、片手で小池を押さえ片手で興奮して勃ち上がってるモノを、小池に見せつけるように数回扱く。 「やだ‼︎ ヤらない!」 「そう言っても挿れてしまえば腰振る癖に! わざと興奮させる為に嫌がってるのか?ん?あんまり聞き分けないと誠のあられもない姿をネットに流すぞ‼︎ 良いのか?」 ネットに流すと言われ小池は大人しくなった。 たぶん……いつも言われて脅されてるのが解る。 大人しくなった小池をニヤニヤと厭らし顔で眺め、小池のベルトをガチャガチャ…外しに掛かった。 ‘見てらんねぇ~’ と言う顔をする伊織と ‘そろそろ良いか?' と冷静に俺に判断を仰ぐ祐一達に「行くぞ」と小さく呟くと、2人はOKサインを出した。 ベルトを外されまいと小さく抵抗する小池と「殴られたいのか?」と恫喝する林達は自分達の事に必死で、俺達には全然気付いてないようだ。 わざとガタッと音を出し、隠れていた場所から出て数m先に居る小池と林に近づく。 「誰だ!」 「林先生でしたか?」 「な.何で、お前達ここに居る?」 「俺達が先に居たんだよ! そしたらさ、そっちの子と先生が色々始めちゃって~、出るに出れなくなった訳!」 「何だか面白い事になってるから、動画撮らせて貰った! よく撮れてる!」 祐一がヒラヒラとスマホを翳(かざ)す。 それを見た林は青ざめ、そして叫んだ。 「消せ! 消せ! こんな事して良いと思ってんのか‼︎」 俺と伊織が林に冷めた口調で話し、祐一はまた林の動向を隠し動画に撮り始めた。 「それはこっちの台詞だけどな~。先生が生徒を脅して関係を迫ってるのは良い訳?」 「可哀想に、そっちの子怯えてんじゃん。別れたいって言ってんのに脅すってさぁ~、先生のする事?」 俺達はあくまで偶然ここに居た風を装い、小池とも初対面と言う設定で話を進めた。 小池も俺達に合わせ怯えた演技をしてる。 「何言ってんだ! 誘ってきたのはこいつからだ‼︎ それにお互い割り切った付き合いだ‼︎ ともかく動画は消せ! こら‼︎ 撮るな!」 手を伸ばしてくる林を止め 「林さぁ~、取り敢えずその汚いの仕舞ったら?」 さっきまで興奮して天を向いて勃ち上がってたモノが元気も無くぶら下がってた。 林はハッとして慌ててジャージとパンツを上げた。 その隙に小池は林の側を離れ、俺達の元に小走りで来た。 「誠!」 「先輩! 助けて下さい! 僕…林先生に僕のHの時の写真やら動画をネットに流すって脅されて、無理矢理セックスの相手させられて……」 涙は出てないが、泣く真似をし訴える演技する。 小池の演技に凄え~なと思いながら 「こう言ってるけど?こっちも証拠の動画あるから、妊娠中の奥さんに見せようか?それとも教育委員会にでも送る?」 林は更に青ざめ声を震わせ話す。 「解った.解ったから止めてくれ‼︎ 頼む! 誠の写真も動画も消すから‼︎ そっちも消してくれ! 頼む、この通りだ‼︎」 土下座して頼む林だった。 「こう言ってるけど、どうする?」 祐一が俺達にわざと聞く。 「そっちの動画と写真は消す事と、この子別れたがってるじゃん。もう今後一切関わらない事だな」 「伊織、それもだけどよ。こいつ、1年坊や芳村にも手を出そうと考えてた奴だぜ。信じられないと思わないか?これに懲りて、そう言うのは止めるんだな‼︎ それも約束してもらわねぇ~と。そっちが消すなら、こっちもスマホの動画を消してやっても良い!」 俺が更なる条件を出すと 「解った.解ったから。写真や動画は消します。もう金輪際しません。誠とも関わりになりません。お願いします」 青ざめた顔で話し土下座をして許しを乞う姿は哀れだ 「こう言ってるけど?」 「もう悪さしないんなら良いんじゃねぇ~」 「俺達は良いけど、こっちの子がどうか?」 怯えた振りをしてた小池がか弱い声で話す。 「先輩達…僕は動画や写真…消してくれるなら……もう良いです……僕も…先生の事はもう良いです」 「…誠……ありがとう…」 小池の演技に騙されて、自分のした事を恥じて反省したようだ。 「なら、祐一。消してやれよ。但し、林のも確認しろ」 「解った」 祐一が林を立たせスマホを出させた。 2人で確認しながら削除してた。 数分後に「終わった。全部消したぞ」祐一が言ってきた。 「終わったか。これで林から脅される事もなくなったな。良かったな」 「はい、ありがとうございます」 伊織も小池の肩をポンポンと叩き「良かったな」と声を掛けた。 林も俺達が撮った動画が削除された事を確認してホッとしてる様子だった。 「じゃあ、帰るか?変な事に巻き込まれたな」 白々しく話すと、俺に合わせるように伊織と祐一も演技した。 「ったくな!」 「こんな事ってあるんだな」 白々しい~。 安心してボー然としてる林に、ドアの前で振り返り声を掛けた。 「あっ! 言い忘れた。スマホの動画は消したが、俺のパソコンに送ってるからな。今後の林の動向次第で、奥さんと教育委員会に送るかもよ⁉︎ 変な事するなよな‼︎」 「なっ‼︎」 「お前って何か信じられないんだよなぁ~。男の味覚えて、また他にちょっかい出すかも知んねぇ~からな。変な事しなければ出回る事はないが、こっちには証拠があるって事忘れんな‼︎」 俺の話を聞いてヘナヘナヘナ…と、その場で崩れ落ちた。 身から出た錆だ‼︎ 芳村にちょっかい出そうとした罰だ‼︎ 俺達は林をその場に置いて体育倉庫を出た。

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