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第22話
俺達の計画通りに成功した事を祝うと言う名目で、またその週末に俺の部屋で飲む事になった。
俺はシャワーを浴び部屋に戻ると、まだベットには裸で横たわってる奴が居た。
「チッ! おい、まだ居たのか?部屋に戻れよ」
もうヤル事はヤッタし用はない。
セックスの疲れで気怠そうに体を起こし服を着始めた
「海堂って、終わると冷たいよね?セックスの時は優しくって激しいのにさ!」
俺に何を期待してるんだ?
「悪いがはっきり言っておく。俺は気持ち良くしてくれるなら、別にお前じゃなくても良いんだよ。何度かセックスしてるからって、変な期待はするな」
ムッとした顔をして
「別に‼︎ 海堂に期待なんてしてないよ!」
「なら、サッサと帰れよな!」
服を着終わりベットを下りて
「言われなくたって帰るよーだ!」
あっかんべ~と舌を出し、バタンッ!とドアを閉めて行きやがった。
「ったく! 何だよ~。自分から誘ってきておいて、あの態度! 最初に時間がねぇ~って言ったのに、それでも良いからって言ったの自分だろーが!」
ドアに向かって、既に居ない相手に悪態をつく。
窓を開け空気の入れ替えをしベットを整えた。
髪をタオルで拭きながら時計を見た。
「まだ、来ねぇ~か?」
22時過ぎた所だった。
どうせ、前と一緒でどっかでヤッてから来るんだろう
毎回では無いが、寮に忍び込むと大概そうだ。
俺はいつ来るか解らない彼奴らの為に、その日はお断りしてたが、今日は誘われた時間も早かったしあっちがかなりその気だった。
ま、良いか! どうせ伊織達は遅くなるだろうと見越して相手をした。
セックスの疲れとさっぱりとした体で少しうとうとした。
熟睡まではいかないが、ベットに頭を乗せだらしなく寝てたようだ。
コンコン…
祐一か?
控えめなノックにドアを開けると、案の定祐一が立ってた。
部屋に入れるとやはり石鹸の匂いをさせてた。
ビールの入った袋をテーブルに乗せ座り
「伊織は?」
換気してた窓を閉め、祐一の前に座る。
「まだ! どうせ、どっかで道草食ってんだろ?」
‘お前もな’ って目をしてやったが、祐一は知らん振りだ。
「じゃあ、先に始めようぜ」
「だな」
ビールを片手に乾杯しグビグビ…飲む。
「う~旨っ!」
そうだろうよ、運動した(?)後だもんな。
祐一が美味そうに飲む姿を見て、心の中でそう思った
「あれから小池や林から何か言ってきた?」
「いや、何も」
「ふ~ん。でも、一か八かの計画だったけど、上手くいったよなぁ~」
「だな。林の奴が気が動転してたからな。細かい事まで頭が回ってなかったお陰だな。細い事を突っ込まれたら、こっちもボロ出てたかもな」
祐一とこの間の件を話してた所に、いつも通り勝手にドアを開けて入って来たのが伊織だった。
「おう! ほら、俺も持って来たぞ。今日は祝杯だな」
片手にビールとつまみが入った袋を掲げ、片手でタオルで髪を拭いて偉そうな態度だ。
堂々と如何にも今ヤッテ来ましたって感じじゃねぇ~か。
こいつには羞恥心ってもんがねぇ~のか?
毎回.毎回!
ドンッとテーブルに乗せビールを取り出し、プルトップを開けグビグビグビ…勢い良く飲む。
「ふう~、うめぇ~」
喉が乾く程、頑張ったようだな。
タオルを肩に掛け、手で口を拭き伊織がニヤッと笑って話す。
「それにしてもこの間は上手くいったな」
「今、祐一とその事を話してた」
それから俺達はあの時はこ~だったとかあ~だったとか反省会と笑い話をして祝杯を上げ飲み捲くった。
「それにしても小池って凄え~よな」
小池の話しを伊織が始めた。
「伊織がタイプって言ってたぞ。気を付けろよ?」
祐一が伊織を揶揄うと嫌そうな顔で話す。
「俺、あ~言う男を手玉に取るような裏表ある奴無理! 大人しそうな振りしてやる事エゲツない」
「俺も伊織の意見に同感だ」
「今回は林も脅したりでやる事エゲツなかったけど、小池もエグイよな?あの演技とかヤバいだろ?あれで林も騙されて小池に夢中になっちまったんじゃねぇ?ある意味林も被害者かもな」
祐一の冷静な意見に俺も多少はそう思っては居たが、芳村にちょっかい出そうとしたのが運の尽きだ。
芳村にさえ、ちょっかい掛けなきゃ俺は黙って見過ごしてた。
小池なんかどうでも良いしな。
でも、林も小池とひと時でも良い思いして楽しんだから、それで良いんじゃねぇ~。
まあ、天罰だな。
「なあ、林の写真と動画も消してこっちの動画も消したんだよな?でも、龍臣さぁ~最後にパソコンに送ってるからな! みたいな事言ってたじゃん。あれ、本当?」
「いや、嘘!」
「やっぱな、そうだと思った」
「こいつ、保険掛けたんだよ。動転してる林にいつでも証拠があるんだってな。良~く考えれば、俺のスマホで動画撮ってるし、あの短時間で送るの無理。でも、林にそう思い込ませて大人しくさせようって魂胆だよ。龍臣って策士だよな」
祐一の言う通りだった。
最後に、咄嗟に思いつき林に言ってた。
「全く、お前もエゲツないな。で、祐一、林の写真やら動画どうだった?見たんだろう?」
「まあな。動画は直ぐに消したから良く見なかったが写真は確認しながらだからな。結構、エグかった」
祐一が嫌そうな顔で話すと、伊織は興味深々の顔で話しを聞きたがる。
「で、どんなの?」
「10数枚あったかな。たぶん最近なんだろーな。小池が別れたがった辺りからかもな。ん~、フェラしてる所とか.セックスし終わった後の姿とか.酷いのは顔にかけられてるのとか…まあ、そんなのがあった」
「エグッ‼︎ 林も別れたくないから必死だな。でもよぉ~、林も他にちょっかい出さなきゃ、小池に別れるとか言われ無かったんじゃねぇ~の」
「伊織、小池は奥さんが妊娠したとか林が他にちょっかい出してるとか言ってたが、たぶんそんなのが原因じゃないって」
俺がそう話すと、祐一は納得した顔をし伊織は良く解らないと言う顔をした。
祐一は人間観察が趣味と情報収集で、ある程度小池の事は解ってたんだろうな。
伊織は自分で見たままや直感で判断し真っ直ぐな男だ小池の本性を数回会っただけでは、まだ深く見抜けなかったかもな。
「どう言う事?」
「バカだなぁ~。小池は色々原因を言ってるが、本当は林に飽きてたんだよ。最初は確かに好きになったんだろうし、教師と生徒って言う禁断のスリルを楽しんだんだろう。でも、小池自身が言ってただろ? ‘イチャイチャもできないしデートも出来ないから、つまんない’ みたいな事。結局は飽きたんだよ。で、別れを切り出したら林が小池に嵌ったのか?男の味を知って執着したのか?は、解んねぇ~けど。他にちょっかい出すような事したのは、小池の気を引く為か?小池の後釜を物色してたって事だろ?その相手の中に芳村を考えたのが、そもそもの間違えだっつーの。生徒も良いが、リスクを考えて大人の方がって考えたのかもな。だが、芳村は誘ってもなかなか乗って来ないから執拗にしてたんだよ。俺の芳村に手を出そうとした罰だ‼︎」
俺が力説してると2人は神妙な顔で聞いてたが、最後は顔を見合わせブッと吹き出した。
「何がおかしいんだ?」
「だってよぉ~」
「お前の芳村にまだなってねぇ~じゃん」
くっくっくっくっ……
はははは……
笑ってる2人……悔しいがまだその通りだ‼︎
「いずれ俺の者になるんだ‼︎ 変んねぇ~よ」
「すっげぇ~自信!」
「どっから来るのかねぇ~、その自信は?」
また笑い出す2人だが、今は確かに俺の者じゃねぇ~けど……そう強く思い続けると叶うような気がする‼︎
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