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第48話

テスト期間でも授業は通常通りあり、寮に帰って食堂で夕飯食べてシャワー浴びて、それから机に向かい遅くまで勉強する日々が続いた。 偶に、夜中にセックスの誘いがあったが、無視するか.断りを入れてた。 禁欲生活をし勉強に励み、昼休みには芳村の所にも行かずに机で寝て過ごすか.伊織達と話をして過ごしてた 偶に、勉強会と称して誰も居ない教室で伊織には英語を祐一には国語を教えて貰ったりもしてた。 芳村の教務室には行かなかったが、偶に図書室に寄り芳村の姿を盗み見て、また勉強意欲を高めて寮に帰ったりした。 テスト範囲が解ると、勉強にも集中する事もできた。 今回、俺がどれだけ頑張ったか?結果を出せば、芳村も見直すはずだ。 俺の為に色々してくれた芳村の為にも結果を出す! そして、あの笑うと垂れ下がった目で頭を撫でる芳村に褒めて貰うんだ! その気持ちだけで俺は勉強してた。 テストは3日間に及び行われ、その3日間は早帰りでもあり、次の日のテスト教科を集中して勉強しテストに望んだ。 「やっと終わった~」 「どうだった?」 「出来たか?」 伊織と祐一は俺の事を心配し席に寄って来た。 「やれる事はやった。国語は結構俺にしては出来たと思う。英語はまずまずかな」 「そうか。ま、龍臣は典型的な理数系だからな。国語と英語が良い点数取れば他は大丈夫だろ」 「まあな」 「ま、終わった事はもう忘れようぜ」 お気楽な伊織の話す通りだ。 終わった事は今更どうしようもない。 だめであっても、それは俺の今の実力って事だ。 それでも俺は今回は手応えを感じてた。 芳村.伊織.祐一と俺の為に勉強を教えてくれたお陰もある。 「なあ、テスト終わりだし、今日はどっか食べに行こうぜ」 「そうだな」 「俺も勉強ばっかで、今日位は羽伸ばしたい。街に繰り出そうぜ」 俺達は早帰りって事で、そのまま街に繰り出し昼飯を食べる事にした。 ファミレスで昼食を食べ、運動不足と言う事でボーリングをする事にした。 「またまたストライク‼︎」 「龍臣、上手いじゃん」 「俺って運動神経抜群だからな」 「はん! 俺だって龍臣に負けてねぇ~し。これでスペア取れば大差無い!」 負けず嫌いの伊織は意気揚々とボールを投げる。 カンッ! 「やりぃ~スペア取ったぜ!」 「スペア~ね。やっぱ男はストライクでしょ?」 「ストライクでもスペアでもピンを倒せば良い~んだよ!」 「せこっ!」 「誰がせこいって⁉︎ やんのか?このヤロー‼︎」 「臨む所だ! 受けて立ってやる‼︎」 胸ぐらを掴み睨み合う俺達の間に入り、祐一は ‘またか⁉︎’ って顔をし仲裁する。 「おい! 下らねぇ~事で張り合うなって。楽しく行こうぜ。楽しく! 折角、テスト終わって解放されたんだから」 「………それもそうだな」 「確かに」 「解れば良い! ったく、お前らって息が合うのも大概にしろよな。性格似過ぎ~~」 「はあ?誰と誰が?俺、こんなに強面じゃねぇ~し性格だって俺の方が良い!」 「はあ?それはこっちの台詞だっつーの! 俺の方が男らしい‼︎」 「はあ?何言ってんだ! 男らしいのは俺だ!」 「いや、俺だ!」 今度は言い争う俺と伊織に祐一は呆れ、ボールを持ち投げた。  カッコーン‼︎ 良い音がしレーンを見ると、祐一が当たり前のような顔で戻って来て俺達の前で言い放った。 「ボウリングの腕前も顔も性格も、俺が1番良いって事‼︎」 「「…………」」 偶に、祐一は本気でこんな冗談を言う。 いつもあまり言わない冗談を言うから、俺達は固まり暫くフリーズしてた。 「お前~が1番性格悪いんだ‼︎」 「この寡黙振ったむっつりスケベ~が!」 「良く言った、伊織! むっつりスケベは俺も賛成だ!」 「だろ?だろ?」 今度は仲良く祐一を非難すると、祐一は「勝手に言ってろ」と小さく言ってたが、俺達の耳には聞こえ無かった。 それから俺達はワイワイ…と賑やかに、テスト終わりで思いっきり健康的に羽を伸ばした。 夏休みから勉強ばっかだったから、久し振りに体を動かし楽しかった。 良い気分転換になった。 それは伊織も祐一も一緒だったようだ。

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