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第105話

「ふぁ~~、面白かったな。笑い過ぎとずっと見てたから目が疲れた~~。眠い~~」 CMと見たがイマイチの場面は早送りで飛ばし見逃した最初の部分と最後と見たが面白かった場面をもう一度見直し早送りした事もあり、3時間程ずっとTV画面を見て笑い、確かに芳村の言う通り目も疲れた。 それだけじゃないだろうけどな。 朝からのセックスも疲れの原因だろう。 「俺も目が疲れた~~。少し寝る?」 「そうだな。夕飯までは少し時間あるし昼寝するか」 まだ夕方ぐらいの時間で、中途半端だが昼寝する事にした。 ま、今、寝て置けば夜はたっぷり楽しめる。 体力温存すると言う魂胆がある事は、芳村にはそんな素振りも見せなかった。 芳村も今のうちに体力回復して置けよ! ニヤ…っと薄ら笑いした事は秘密だ。 座ってたソファからラグに仰向けで寝て、手足を思いっきり伸ばした。 「ふう~~気持ち良い~~♪芳村もこっち来いよ」 まだソファに座り、俺の動作を微笑んで見てた芳村に声を掛けた。 「海堂がそっちで寝るなら、私はソファで寝るよ」 警戒してんのか⁉︎ 「そんな寂しい事言うなよ~。2人で居るのに、何で別々に寝るんだ⁉︎ こっちの方が広い!」 上体を起こし、芳村の手首を掴み無理矢理ソファからラグに下ろした。 「ほら、背伸びしてみろ。気持ち良い~~から」 警戒する目で俺を一度見て、それから素直にラグに仰向けになり手足を伸ばした。 「う~~気持ち良い~~♪ソファで同じ体勢で座ってたから体が固まってたんだな。ん~~」 「だろ?」 隣で寝てる芳村の頭に腕を回し腕枕し、体を引き寄せ向かい合わせになった。 「目を閉じて、少し休もう」 「……海堂……うん」 俺がそう言った事で警戒してた自分が恥ずかしくなったのか?俺の胸に顔を埋め体の力を抜いた。 暫く経つと芳村からスースー……寝息が聞こえた 朝から無理させたからな。 セックスも愛を確かめる為に重要な行為だが、こうやって何もせずに芳村が俺の腕の中で安心しきった様子で寝てるのも良いな‼︎ 芳村を抱きしめ、目の前の芳村の髪に顔を埋め芳村の匂いと寝息を聞いて、俺もいつの間にか眠ってた。 先に起きたのは俺の方だった。 レースカーテンを引いてた窓からは、外の明るさで部屋の中は薄暗かった。 朝には実現出来なかったが、目覚め時に隣に…腕の中に芳村が居る‼︎ 本来は、朝の光の中で芳村と一緒に迎えたかったが一応願望は叶えられた⁉︎ 明日の朝に期待しよう‼︎ 腕の中に居る芳村の存在が嬉しく、つい抱きしめてる腕に力が入ったらしく芳村が身動ぎした。 「ん?あ~~良く寝た~~」 「ゆっくり休めたか?」 顔を上げ俺の顔を見て……やっと微笑んだ。 「海堂! おはよう」 寝ぼけてるのか?朝だと思ってるようた。 そんな惚けた芳村も可愛い~~♪ 「おはようってなぁ~~、今は夜だ」 「えっ! 嘘~~……そうだ……録画してたTV見て……あっ! 夕飯」 「思い出したか?夕飯も楽しみだが……もう少しだけ」 俺は芳村の髪にキスし抱きしめた。 離したくねぇ~~。 唇にキスしてぇ~~けど……キスだけで終わる自信ねぇ~し……芳村に怒られるのもなぁ~~。 ここは我慢して、やっぱ…夜だな。 「海堂~、もう良い?食べる前に、角煮をもう一度煮込んでハヤシライスも仕上げするから」 「解った」 離れ難いが、こう言われたら離れるしかねぇ~な 「よいしょっと。じゃあ、ちょっと作ってくるな。お前はもう少しゆっくりしてろ」 起き上がり背筋を伸ばし首を回し、それからキッチンに歩いてく。 カチャカチャ…ゴトゴト…音がし、火を点けた音がした。 俺もグッと背伸びしラグからソファに移り、今度はソファで横になりTVを点け何となく見てた。 「海堂.海堂……おい、海堂、起きろって」 体を揺り動かされ目が覚めた。 「…あれ?……俺、寝てた?」 「ああ、30分位かな。ほら、ご飯にしよう」 体を起こし、目の前のテーブルの上にはハヤシライス、角煮、そしてサラダが乗ってた。 「ん~~美味そう。良い匂いだ!」 「食べよう。いただきます」 「いっただきま~~す」 先に、ハヤシライスを口に入れると酸味と甘味でめちゃくちゃ美味かった。 「美味い! このハヤシライス、マジうま~~♪」 喜んで食べる俺を見て嬉しそうな顔をし、自分もハヤシライスを口に入れた。 「水の分量少なくしてトマト缶を入れて煮込んで最後に市販のルー入れたんだ。ちょっと酸味があって美味しいだろ?」 「トマトの酸味か~~。うん! 美味い!」 「角煮も食べてみろ?楽しみにしてたんだろ?」 今度は角煮を口に入れると柔らかく味が染みて美味かった、そして大根.人参と口に入れどっちも味が染みてやはり美味い‼︎ 「マジ~~うま~~‼︎ 想像より遥かに美味い‼︎ 時間掛けて煮込んだだけあって味が染みてる」 「そうか、そんなに美味しそうに食べてくれると時間掛けて作ったかいがある。海堂は何を作っても美味しそうに食べるから作りがいがある」 「芳村がこんなに料理が上手いとはな。また作ってくれよ。ん、茹で卵もある」 「茹で卵は煮込んでないけどな。また、時間ある時にな」 また一緒に食べる事が出来ると思うと嬉しくなり顔が緩む。 「今日はたくさん作ったからな。明日も食べれるぞ……けど、同じ食卓になるけどな」 「カレーでも2日目が更に美味くなるって言うし明日も楽しみだ♪」 俺はバカの1つ覚えみたいに「美味しい」「美味しい」と何度も繰り返し言い食べた。 「あっ! そう言えば、芳村さぁ~、帰省は止めたのか?」 本当なら30~1/3まで帰省するつもりで居た芳村を俺が無理を言って今一緒に居る事もあり、ずっと気にはなってた。 「その事か。3日~6日まで帰省する事にした。やはり年に1回位は顔を出しておこうと思ってな。4~6までは年休貰えたし。8日から学校始まるから7日は出勤して準備とかしないと。3日の午後に海堂と一緒にここを出るつもりだ」 3日の午後⁉︎ 芳村との約束では31~1/2までだった。 俺は2日の夜には帰らなきゃなんねぇ~と思ってただけに、3日まで居て良いと言われめちゃくちゃ嬉しかった。 ただでさえ、俺が我儘言って予定を変更させたのに…そして、何より芳村も長く一緒に居たいと思ってくれたのが嬉しかった。 そんな風に俺が思ってた事が顔に出てたらしい。 「何?嬉しそうな顔をしちゃって~~。可愛い~~な」 クスクスクス……笑う。 「だってよぉ~~、芳村と少しでも長く一緒に居たいじゃん」 「素直~~! 海堂って可愛い~~‼︎」 「ふん! 揶揄うなよ~~」 素直~~とか可愛い~~とか揶揄って笑う芳村に、心の中で ‘覚えてろよ~。ベットで泣かす‼︎’ と思ってた事は内緒だ。 美味い食事と楽しい会話で腹も心も満たされた。

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