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第127話

卒業式練習での登校日に…海堂の姿はなかった。 HRの後に、成宮や桐生に聞いても「連絡ない」「知らねー」と言い、そして何か言いたそうにしてたが、結局、それには触れず2人は卒業式練習に向かった。 今日の朝には、久し振りに会う海堂の姿を思い浮かべてドキドキ…としてた。 海堂に何か言われるんじゃないか?とその事にもドキドキし……そして胸が痛かった。 そんな気持ちで教室に入り、ぐるっと教室の中を見て……海堂の席だけが空いてた。 1カ月経っても結論が出ないままの私は会いたいような会いたくないよう複雑な気持ちだった……でも、海堂の席だけがポツンと空いてるとやはり……会いたかった。 明日は、卒業式だ。 必ず来るはず……来るよな? 心配と不安で居たが無闇に連絡出来ず、桐生に「明日の卒業式には、必ず来るように言ってくれ」と伝えて貰う事しか出来なかった。 成宮なら「自分で言えよ! 担任なんだから」と言われると思い、桐生に話すと「解った」とだけ言って帰って行った。 誰も居ない教室にポツンと1人佇む。 明日で…最後か。  涙が溢れてくるのを袖で拭い。 感傷に浸ってる場合じゃないと、最後に黒板に『卒業、おめでとう』 大きく書き感謝の気持ちをその後に書き込んだ。 『皆んなと出会えて良かった。楽しいクラスだった。ここに仲間が居る事を忘れずに、頑張れ‼︎』 楽しいクラスだった。 ありがと。 明日の卒業式には皆んな揃って…卒業式を迎えたい。 ……海堂、来てくれよ。 また、涙が出た。 海堂が1ヶ月の猶予をくれた日から涙脆くなった 海堂の事を考えると……好きでもどうにもならない事に……涙ばかり出て、その繰り返しだった。 ……自分では別れの言葉を言い出せず、いや言いたくない…だから……狡いが海堂から別れる…離れるようにして欲しい。 自分から言うには辛過ぎる……好きだから…好きなんだ‼︎ 海堂に言われたら……諦められる‼︎ ごめん、何も言わず何も出来ず……狡いのは解ってる。 明日だけは…最後に……海堂の姿を目に焼き付けておきたい。

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