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第一章・4
「な……ッ!?」
眼の前で繰り広げられた、衝撃的な光景だった。
何て破廉恥な!
所詮は馬も、ただの畜生だったのか!
はっはは、と軽やかな笑い声にぎょっとすると、隣の暁斗は楽しそうにそれを眺めている。
とても正気とは思えない。
獣とはいえ、眼の前にセックスを突きつけられたのだ。
驚かないのか!?
不快ではないのか!?
「ほらほら、がんばれ。励んでいい子を産ませろよ」
「……おかしいぞ、君は! 何とも思わないのか!?」
「何がでございますか」
「僕なら、嫌がる婦女子を無理矢理になんてしない。まずはバラを贈って、そして初めはキスからで。それも、ちゃんと同意を得るぞ。『キスしていいか』くらい訊くぞ!?」
そうですか、とやはり暁斗は笑うだけだ。
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