6 / 193
第一章・6
暁斗の言葉に、昴の顔はどんどん真っ赤に火照っていった。
わなわなと震える唇からようやく絞り出した声は、悲鳴に近いものだった。
「失敬な! 相手を見て物を言え! 僕は男だ!」
かんかんに沸騰している美しい主人をきょとんとした顔で見た後、暁斗は喉の奥で小さく笑いながら訂正してきた。
「そうではなくって、一緒に遊郭へ遊びに行きませんか、というつもりだったのです」
「あ……」
血が一瞬にして引いた後、ものすごい勢いで顔に昇っていった。
お子様扱いされてからかわれた事に、今気が付いた。
耳まで赤くして、眼からは涙が滲みそうだ。
「知らん!」
ともだちにシェアしよう!