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第一章・20

 ベッドに、暁斗が腰掛けた。  同じように横に座る昴を抱き寄せ、髪を撫でて鼻先を首筋に擦りつけてきた。 「馬に鼻を擦りつけられたことはあられますか?」  昼間、尋ねられた言葉だ。  何だって、今頃そんな事を言ってくるのか。  昴の返事を待たずに、暁斗は話を進めた。 「馬は匂いで相手を探ります。馬に匂いを嗅がせると、馬を安心させる事ができるのです」 「柏も、僕の匂いを嗅いでいるのか? 安心した?」  首筋を鼻先で撫でた後、そっと唇を落として暁斗は囁いた。 「安心しました」

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