24 / 193

第一章・24

 これ以上、暁斗にみっともない部分をさらけ出すのは耐え難い。  昴は精一杯、虚勢を張った。 「僕だって、経験くらいある。いろんな人と、何度も寝たんだ!」 「その幸運な相手はどなたです?」 「……それは、その。しッ、知らない人!」 「そうですか」  暁斗は思わず顔をほころばせた。  何という可愛らしいバレバレの嘘を。  そして、この美しい可愛い人の初めての相手となれる誉れに感謝した。  一体自分の、どこを気に入ってくれたのやら。  もう一度、短く、しかし熱い口づけをして、暁斗は改めて昴の体に挑みかかった。

ともだちにシェアしよう!