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第二章・3
「あぁ」
小さく声をたて、頬に置いた手でさらに顔中覆ってしまった。
何て恥ずかしい。
酔っていたからだ。
小憎らしい暁斗を、困らせてやりたかっただけだ。
だが、その甘いひとときにすっかり身を任せてしまった僕。
はしたなく息を荒げ、声を上げ、しまいには精まで放ってしまった。
両腕で自分をしっかりと抱きしめ、身を縮ませてぶるりと震えた。
気持ち、悦かった。
まさかこの僕が、他人に触れられることで快楽を感じようとは。
ああやって、愛撫されると気持ちが悦くなるものなのだろうか。
酔っていなくても。意地になっていなくても。
誰でもいいのだろうか。
ああやって触られると、相手が誰であろうと甘美な心地になってしまうものだろうか。
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